2010 Fiscal Year Annual Research Report
南西諸島先史時代人の成立ちを探るー形質に見られる地域変異の解明を目指して
Project/Area Number |
20570227
|
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
土肥 直美 琉球大学, 医学研究科, 非常勤講師 (30128053)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠田 謙一 独立行政法人国立科学博物館, 人類研究部, グループ長 (30131923)
米田 穣 国立大学法人東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (30280712)
竹中 正巳 鹿児島女子短期大学, 生活科学科, 教授 (70264439)
|
Keywords | 南西諸島 / 先史時代 / 古人骨 / 地域変異 / 形質人類学 |
Research Abstract |
本研究では、申請者等がこれまで取り組んできた南西諸島の人骨研究において、未だに解明の進んでいない先史時代人の地域差の問題に、形質、遺伝子、年代、生業、考古などの側面から総合的に取り組もうとしている。南西諸島の先史時代人については、先島諸島の保存良好な人骨が未発見という課題が残されているが、本研究ではまず、沖縄諸島を中心に形態変異の解明に取り組んだ。 〈本年度は最終年度であるため、それぞれに分析と成果のまとめを行った〉 1.土肥、竹中、研究協力者の片桐千亜紀を中心に沖縄県立埋蔵文化財センター保管の先史時代人骨について調査と分析を行った。遺跡の考古学的情報については片桐を中心に収集し、整理を行った。 2.米田は追加資料のサンプリングを行うと同時に、年代測定、安定同位体の分析を行い、成果のまとめを行った。 3.篠田はmtDNAの分析のための追加資料のサンプリングと分析を行った。 4.研究分担者は、それぞれに研究のまとめを行い、成果の公表の準備を行っている。 5.土肥、片桐、米田、篠田は、先史時代人骨の空白地域である先島(石垣島)において発見された更新世人骨の調査に参加した。 〈成果の意義〉 沖縄先史時代人の基礎データ収集と整理が進んだことが成果である。また、石垣島では更新世人骨の他、縄文時代相当期(下田原期)、弥生~平安相当期(無土器期)の人骨が発見され、今後の分析によってさらに地域性の解明が進展する可能性が広がった点は大きな成果である。成果の一部は第64回日本人類学会大会において報告した。
|
Research Products
(5 results)