2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20580008
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
多田 雄一 東京工科大学, 応用生物学部, 教授 (80409789)
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Keywords | 耐塩性 / マングローブ(オヒルギ) / 環境 / ストレス / 遺伝子組換え / シロイヌナズナ / プロテオーム / トランスクリプトーム |
Research Abstract |
新たな耐塩性遺伝子を同定するために、オヒルギの11種の塩応答性遺伝子と、2種の塩応答性タンパク質の遺伝子の発現ベクターを構築して、シロイヌナズナに導入した。それらのうち、4種の塩応答性遺伝子と、2種の塩応答性タンパク質の遺伝子を発現する組換え体の耐塩性検定を行なったところ、塩応答性遺伝子のアルミニウム誘導性タンパク質遺伝子ホモログ(BgAIP)、レチクリン酸化酵素遺伝子を導入した組換え体で耐塩性の向上が認められた。また、塩応答性遺伝子のblight associated protein様(BAP)遺伝子と塩応答性タンパク質であるosmotinの組換え体では、50mM NaCl程度の弱い塩ストレスで前処理することで、その後の150mM NaClに対する耐性が著しく増強されることが明らかとなり、耐塩性シグナルが増強されやすい状態になっていることが示唆された。また、塩応答性タンパク質のFBP aldorlase遺伝子を導入した組換え体でも耐塩性の向上が認められた。BgAIP、およびBAP遺伝子組換え体のストレス関連遺伝子の発現を定量RT-PCRで測定したが、野生型と比較して際立った差異は認められず、導入遺伝子が既知の耐塩性シグナル経路へ与える影響はほとんどないと考えられた。これらの組換え体の酸化ストレス、重金属耐性を調べたところ、osmotin組換え体がNiに対して、BAP組換え体がZnに対して耐性の向上が認められた。
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Research Products
(8 results)