2008 Fiscal Year Annual Research Report
オオミノガヤドリバエの寄主利用戦略-なぜ高知でオオミノガが絶滅しないのか-
Project/Area Number |
20580055
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
荒川 良 Kochi University, 教育研究部自然科学系, 教授 (10159494)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 達哉 高知大学, 教育研究部自然科学系, 准教授 (00432815)
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Keywords | 昆虫 / 生態学 / 生物的防除 / 天敵 / 外来種 / 寄生バエ / 寄生蜂 |
Research Abstract |
高知県高知市、南国市、室戸市で平成20年4-5月と10月及び平成21年3月にオオミノガのサンプリングを実施した。その結果いずれの地域でも、2-30個体のオオミノガのミノを採集することができた。ミノを解体して求めたオオミノガヤドリバエによる寄生率は20年4-5月と10月は約70%、21年3月は90%を越えていた。このように、高知県において、オオミノガは健在であるが、オオミノガヤドリバエによる寄生率も平成10-15年ごろとほとんど変わっていないことが明らかとなった。20年4-5月に南国市で採集した未寄生のオオミノガの飼育を試みたが、異常高温や少雨の影響で成虫の羽化時期がばらついて、交尾がうまく成立せず、室内実験用に必要な個体数を得ることができなかった。次年度は未寄生個体からの成虫雌雄の羽化時期を同調させるために、温度条件を変えた飼育の必要性があると思われた。 平成20年4-5月に南国市で採集したオオミノガのミノ内にあったオオミノガヤドリバエの囲蛹から、数個体のキアシブトコバチが羽化してきた。その後オオミノガヤドリバエの未寄生囲蛹が獲られなかったので、キアシブトコバチによる寄生実験は行うことができなかったが、次年度に向けて、オオミノガだけでなく、近縁のチャミノガ(オオミノガヤドリバエは寄生しない)や、キアシブトコバチの寄主になるイエバエ、キンバエを室内増殖中であり、次年度へ向けたキアシブトコバチの寄生能力、寄主選択性を調査できる体制を整えた。
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Research Products
(2 results)