2010 Fiscal Year Annual Research Report
森林における菌類と共生する穿孔性昆虫の発生戦略に関する実証的・理論的研究
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20580162
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
福田 秀志 日本福祉大学, 健康科学部, 教授 (50319307)
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Keywords | ニホンキバチ / 共生菌 / 含水率 / カシノナガキクイムシ / 総合防除 / 殺菌剤 / ラップ巻法 / おとり木法 |
Research Abstract |
今年度は、菌類と共生する穿孔性昆虫について、材の含水率とニホンキバチ共生菌の繁殖との関係、カシノナガキクイムシの総合防除について成果があった。ニホンキバチ共生菌を接種したスギ丸太を、含水率を変化させるため3処理を行い、分離率を比較した。水苔処理では約10~35%の分離率で、対照木の約7~30%よりやや高かった。含水率は水苔処理では、接種2週間後には約110%であったが、その後150%まで上昇した。対照木では接種2ヶ月後まで約90~100%と横ばいであった。水差し処理では接種後1週後には150%以上であり、共生菌は全く分離されなかった。以上のことから、スギ丸太での共生菌繁殖に適した含水率は100~150%の間であることが示唆された。カシノナガキクイムシの総合防除に関しては、ラップ巻き処理木では、コナラ24本中18本が再加害を受けその内9本が枯死した。アベマキでは3本中3本が再加害を受け1本が枯死した。殺菌剤注入木では12本中3本で25%、非注入木では4本中2本で50%と注入により、枯死を半減させることができたが、注入しても一定割合が枯死した。おとり木では31.9±43.3頭が捕獲されたのに対し、対照木では7.0±8.2頭と有意に多くの成虫が捕殺された。また、おとり木では20%カシナガの加害が確認されたが、対照木では加害された個体はなかった。初加害本数は、コナラでは2008年から2009年にかけては増加したが、総合防除を行った2010年ではおとり木への加害を含めても2009年の半数以下に減少した。また、未加害木の加害割合も、コナラでは2008年から2009年にかけて増加したが、2010年では2009年に比べて減少した。初加害木中の枯死木本数は、コナラでは2008年から2009年にかけて約4倍に増加したが、総合防除を行った2010年では2009年の半数以下となった。
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Research Products
(3 results)