2010 Fiscal Year Annual Research Report
赤潮プランクトン、コクロディニウムとシャットネラの毒性因子の比較
Project/Area Number |
20580204
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
小田 達也 長崎大学, 水産学部, 教授 (60145307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 健一 長崎大学, 水産学部, 准教授 (90363473)
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Keywords | プランクトン / 赤潮 / 毒性 / 活性酸素 / 鞭毛藻類 / 粘液 |
Research Abstract |
シャットネラ及びコクロディニウムは強い魚毒性を発現することが知られている。従って、これらのプランクトンによる赤潮発生は大きな漁業被害を伴い、養殖産業にとっては大きな問題となっており、緊急な対策等の必要性が高まっている。コクロディニウムは比較的高水温を好むことから、地球温暖化に伴い、その頻度及び発生海域が拡大したと考えられる。シャットネラがラフィド藻類に属するのに対し、コクロディニウムは渦鞭毛藻類に属し、両者は異なる種であるが、シャットネラと同様、コクロディニウムは強い魚毒性を発現することが知られている。さらに興味深いことに、コクロディニウム赤潮による養殖魚の艶死状況がシャットネラ赤潮の場合と類似しているとの指摘ある。本研究では、コクロディニウムとシャットネラの活性酸素の有無について比較検討した。それぞれのプランクトンの複数の分離株について調べた結果、シャットネラでは何れも高濃度の活性酸素が検出されたが、コクロディニウム株では検出限界を越える株は確認できなかった。一方、コクロディニウムは細胞外に大量の粘液物質を分泌しており、その量はシャットネラの十倍以上であったことから、コクロディニウムはこの粘液を介した魚毒性の可能性が示唆された。
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[Journal Article] The role of interactions between Prorocentrum minimum and Heterosigma akashiwo in bloom formation.2010
Author(s)
Y.Yamasaki, S.Nagasoe, M.Tameishi, T.Shikata, Y.Zou, Z.Jiang, T.Matsubara, Y.Shimasaki, K.Yamaguchi, Y.Oshima, T.Oda, T.Honjo
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Journal Title
Hydrobiologia
Volume: 641
Pages: 33-44
Peer Reviewed
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