2010 Fiscal Year Annual Research Report
抗リステリア性ペプチドによる食品の安全性確保に関する研究
Project/Area Number |
20580216
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山崎 浩司 北海道大学, 大学院・水産科学研究院, 准教授 (40250500)
|
Keywords | バクテリオシン / リステリア菌 / Listeria monocytogenes / Carnobacterium maltaromaticum / バイオプリザベーション |
Research Abstract |
Carnobacterium maltaromaticum CS526株の産生するバクテリオシンPiscicocin CS526の各種細菌細胞への最適吸着条件を検討し,30℃,30分間が適当であることを見出した。次に,0.1% Tween 80を用いたPiscicocin CS526の回収を行い,簡易精製されたPiscicocin CS526が電気泳動的に単一な成分となっていることを明らかにした。したがって,本研究で検討・開発したバクテリオシンの非産生株への細胞吸着特性を利用した1ステップ精製法が極めて簡易かつ効率的な精製方法であることが確認できた。 さらに,C.maltaromaticum FS-B株の発酵粉末を用いたL.monocytogenesの制御法の開発を試みた。FS-B株のCarnocin FS-B産生培地として,食品用酵母エキスとスクロースから成るYS培地が適当であることを見出し,高力価のCarnocin FS-Bを含有する発酵粉末の調製に成功した。このCarnocin FS-Bを含む粉末と有機酸の一つであるフィチン酸を併用することで低温保存においても食品モデル(ミートパテ)中におけるL.monocytogenesの発育を効果的に抑制できることも証明した。したがって,これらの知見はバクテリオシンを食品に利用する上で重要な知見となり,特に低温下で長期保存されることも多い水産・畜肉加工食品においてL.monocytogenesのリスクを低減した安全な食品の流通に寄与するものと考えられる。
|
Research Products
(2 results)