2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20580252
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Research Institution | Aichi University |
Principal Investigator |
岩崎 正弥 Aichi University, 経済学部, 教授 (40221791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三原 容子 東北公益文化大学, 公益学部・(社会系), 教授 (90212240)
伊藤 淳史 京都大学, 農学部, 助教 (00402826)
舩戸 修一 東京大学, 科学技術インタープリター養成プログラム, 特任研究員 (00466814)
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Keywords | 農本思想 / 帰農 / 対抗思想 / 社会運動 / 革命思想 / 地域史 |
Research Abstract |
本研究はこれまで農本思想に関わってきた研究者を可能な限り糾合して学際的にその現代的意義を究明しようという目的をもって出発した。しかし代表者・分担者および協力者の専門分野が異なり分析視角も多様なため、まずは研究を進めるにあたっての基本的な合意を得るための研究会を今年度は2回実施した。1回目は2008年6月に山形県庄内地方においてゲストスピーカー(弘前大学:武田共治氏)を含む10名が参集し、農本主義運動が盛んだった庄内地方の事例も含めて各々の農本思想論を発表しあった。その結果農本思想の定義を明確にすべきであるということで合意した。2回目は2009年2月に京都において8名が参集し、なおかつ現代農的生活の実践家(半農半X研究所:塩見直紀氏)をお招きして勉強会を開催した。農本思想を「農を基軸とする社会思想(微温的な社会改良から急進的な革命構想までも含む)」と対象規定し、その特質として「対抗思想」性を設定した。対抗思想としての表われ方の相違が農本思想の多様性を意味するため、戦前・戦中の史的農本思想と戦後から現代に至る対抗思想としての農的な思想・運動・取組み・政策等との相関関係を今後明らかにする必要があり、各々の問題意識と絡めて次年度はその具体化を図ることで合意した。なお塩見氏の実践から現代の農的生活(帰農生活)に共鳴する世代や共鳴軸の方向性と史的農本思想との異同に関して種々の議論があり、現代の一種の農への回帰現象も含めてその意味するところを注意深く分析しなければならないという課題が与えられることになった。
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Research Products
(4 results)