2009 Fiscal Year Annual Research Report
食餌内容による消化管運動制御及び摂食行動制御の可能性
Project/Area Number |
20580293
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
平松 浩二 Shinshu University, 農学部, 教授 (80238386)
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Keywords | 摂食行動 / 視床下部 / 神経ペプチドY / オレキシン / ガラニン / ソマトスタチン / コレシストキニン / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
ニワトリの摂食調節機構を解明するため、摂食に関わるいくつかの神経ペプチドの相関関係をブロイラー視床下部において免疫組織化学的手法を用いて明らかにした。室周囲核や室傍核において、神経ペプチドY免疫陽性線維やガラニン免疫陽性線維がオレキシン免疫陽性細胞体に接触している像が観察された。さらに外側野ではコレシストキニン免疫陽性線維がオレキシン免疫陽性細胞体に接する像が見られた。これらのことから、室傍核のオレキシン含有ニューロンは神経ペプチドY含有ニューロンやガラニン含有ニューロンからの投射を受け、外側野のオレキシン含有ニューロンはコレシストキニン含有ニューロンから投射を受けている可能性がある。しかしながら、鳥類においてオレキシンは哺乳類のような摂食亢進作用を示さないと言われているため、オレキシン含有ニューロンへの投射は摂食行動と結びつくかどうかは不明である。また、室周囲核で神経ペプチドY免疫陽性線維がソマトスタチン免疫陽性細胞体に終末している像が見られたことから、神経ペプチドY含有ニューロンは室周囲核のソマトスタチン含有ニューロンへ投射している可能性がある。ソマトスタチンはニワトリにおいては摂食亢進作用を示すため、神経ペプチドYによる摂食亢進作用はソマトスタチンを介して行われていると考えられる。さらに腹内側核において神経ペプチドYとソマトスタチンが共存する細胞体が観察されたことから、神経ペプチドYとソマトスタチンが相互に関係して、摂食亢進作用の発現に関与している可能性が示唆された。なお、消化管運動へのグルカゴン様ペプチドI及びニューロテンシンの影響については手技を検討し、引き続き継続することとした。
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