2010 Fiscal Year Annual Research Report
食餌内容による消化管運動制御及び摂食行動制御の可能性
Project/Area Number |
20580293
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
平松 浩二 信州大学, 農学部, 教授 (80238386)
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Keywords | グルカゴン様ペプチド1 / ニューロテンシン / アミノ酸添加 / 免疫組織化学 / 形態計測法 / 消化管運動制御 |
Research Abstract |
食餌中のアミノ酸が消化管内分泌細胞に与える影響を組織学的手法で明白にし、消化管運動制御への関与について考察した。供試鶏として7日齢の白色レグホン種雄20羽を用い、1)対照飼料(CP20%)群、2)CP0%飼料群、3)CP0%+メチオニン添加飼料群、4)CP0%+リジン添加飼料群の4群に分けた。各群の供試鶏に対照飼料を1日、実験飼料を2日間強制給餌後、回腸を材料として摘出した。4%PFAで固定し、定法によりパラフィン切片を作製した。一次抗体としてGLP-1、ニューロテンシン(NT)及び5-HTに対する抗血清を用い免疫染色を施し、形態観察及び絨毛丈測定、画像解析装置により各内分泌細胞の分布密度を測定した。また、PAS染色により杯細胞の形態観察も行った。絨毛丈は対照群が他の群と比べ有意に高かつた。すべての群でGLP-1、NTまたは5-HTを含有する内分泌細胞が観察された。GLP-1とNTは、陰窩から絨毛基部に、5-HTは絨毛全域に分布した。これらの細胞はカンマ形、紡錘形やフラスコ形などを呈した。内分泌細胞の分布密度(個/粘膜mm2)は、対照飼料群に比べCPO%飼料群で有意に高く、アミノ酸添加飼料群は対照飼料群に近い値を示した。PAS染色により、CP0%飼料群の杯細胞は他の群と比べ、ミューシゲン滴が小さくなる傾向が見られた。メチオニン及びリジンは、それぞれ単独で消化管内分泌細胞からのGLP-1及びNTの分泌を刺激し、これらのホルモンの分泌を介して消化管運動を制御しうる可能性が示唆された。
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