2009 Fiscal Year Annual Research Report
反芻動物の脂肪細胞形成に関与する脂溶性シグナル分子の探索およびその機能解析
Project/Area Number |
20580304
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
佐々木 晋一 Shinshu University, 農学部, 教授 (00003682)
|
Keywords | 脂肪細胞分化制御 / 生理活性物質 / 核内転写因子 / PPARγ-2 / LXRα / Rev-Erbα / RXR |
Research Abstract |
1)脂肪細胞分化過程における機能未知核内レセプターの発現パターンの解析 平成20年度で解析した以外の核内転写因子について解析した。PPARδはウシで発現しているもののラット、めん羊では発現せず、FXRはめん羊、ウシで発現しないもののラットで発現、Rev-Erbαはウシおよびラットで分化の進行とともに発現が上昇し、めん羊では発現しているものの分化期間中変化は観察されなかった。このようにアディポジェネシスは動物種によって異なる転写因子によって調節されているだけではなく、脂肪細胞分化誘導後の早期や中、後期に作用するといった分化過程で時間的な差も存在することが判明した。 2)候補因子による遺伝子転写因子活性化制御の解明 反芻動物においてPPARγ-2およびLXRαのDNA respons element領域への結合にRXRの二量体化が必要であるか否かを検証した。めん羊、ウシ脂肪前駆細胞においてレチノイン酸はPPARγ-2により誘導されるaP2の発現を減少させ、さらにLXRαの下流にある遺伝子SREBP1-Cの発現も減少させた。反芻動物においてもRXRのPPARγ-2およびLXRαとの二量体化が、脂肪細胞分化関連遺伝子の誘導に必須であることが明らかとなった。 3)転写因子PPARγ-2、LXRαおよびRev-Erbα mRNAの発現動態を制御する内因性因子の探索 ウシ脂肪前駆細胞の分化過程において、VFAの中で酢酸、プロピオン酸がPPARγ-2を上昇させてが、酪酸はむしろその発現を抑制した。VFAのいずれもがLXRαの発現を増加させ、Rev-Erbαは酪酸のみがその発現を増加させた。このように、ウシにおいてはVFAが転写因子の発現動態を制御する内因性因子となることが明らかとなった。
|
Research Products
(1 results)