2008 Fiscal Year Annual Research Report
飼養環境下の牛群におけるゼアラレノン浸潤動態の解明ー特に繁殖性との関連性の検証
Project/Area Number |
20580355
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
高木 光博 Kagoshima University, 農学部, 准教授 (40271746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
音井 威重 山口大学, 連合獣医学研究科, 教授 (30311814)
宮本 明夫 帯広畜産大学, 畜産学研究科, 教授 (10192767)
宇野 誠一 鹿児島大学, 水産学部, 助教 (50381140)
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Keywords | ウシ / ゼアラレノン / 尿 / 卵胞液 / LC / MS / MS |
Research Abstract |
申請者らは、ウシ飼養環境下のマイコトキシン(MT)浸潤動態をモニタリングする目的で、Fusarium属真菌由来MTで、尿中に排出され、エストロジェン類似作用を持つことから家畜に繁殖障害などを引き起こす可能性が示唆されているゼアラレノン(Zen)に着目し、これまでに飼養環境の違いがウシ尿中Zen濃度に影響を与えるとともに、尿をサンプルとして生体由来Zen濃度のモニタリングが可能である事を示唆している。本年度はZenのウシの繁殖性に与える影響を調べる目的で、ウシ卵子の体外培養系モデルを用いた成熟培養液中へのZen添加実験を行い、卵子成熟能、および体外受精後の胚盤胞への発生能を検証した結果から、添加Zen濃度依存的な成熟能(第二成熟分裂終了)の有意な低下が観察されるものの、体外受精後の胚盤胞への発生率には影響しないという極めて興味深い現象を初めて見出した。さらに、これまでに報告のない卵胞液中Zen、およびその代謝物であるα-およびβ-ゼアラレノールの存在の有無を検証するために、LC/MS/MS法を用いた検出系の確立をはかり、C-18カラムとZenイムノアフィニティカラムを用いた固相抽出法により、はじめてウシ卵胞液中からZenとその代謝産物を検出した。これらの事実は、ウシを含む家畜において、摂取されたZenとその代謝産物が卵子および卵胞発育に少なからず影響を与える可能性を示すものであると思われる。
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Research Products
(1 results)