2009 Fiscal Year Annual Research Report
イヌ糖尿病根治治療を目指したブタ膵島移植-免疫寛容誘導に向けた基礎的研究-
Project/Area Number |
20580356
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
瀬戸山 健太郎 Kagoshima University, フロンティアサイエンス研究推進センター, 助教 (00372805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 和彦 鹿児島大学, フロンティアサイエンス研究推進センター, 教授 (40241103)
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Keywords | 異種移植 / ミニブタ / 犬 / 膵島移植 / MRI |
Research Abstract |
本年度は異種移植時の拒絶に対する画像診断学的評価法ならびに拒絶抑制のための新しい手法の検討について行った。画像診断による評価はMRIを用いて実施し、膵島細胞に臨床で汎用されている造影剤(鉄剤:リゾビスト)を貪食させた後、腎皮膜下に自己膵島移植を行い評価した。その結果、移植後の膵島を経時的にMRIで評価することが可能であることが明らかとなり、移植後に生じる拒絶反応の評価に利用可能であることが示唆された。今後は異種移植後に評価を行い、拒絶反応時に観察される画像所見について評価を行い、血糖値やインスリンでしか評価できなかった移植膵島細胞を新たな視点から評価できるよう検討する。 また、昨年度の研究から犬ブタ間ではnon-Gal抗原が存在し移植後の拒絶に大きくかかわることが明らかになったことから、免疫抑制剤のみならず他手法との併用による免疫寛容の誘導が必要と考え、検討を行った。本手法はAlginateと生体材料を特殊加工したものを用いており、従来行われてきた膵島細胞のカプセル化とは異なる方法である。本方法を用いることによりこれまでサル・ブタ間での異種移植で免疫抑制剤なしで有意に拒絶反応を抑制していることから、犬・ブタ間の移植においても非常に有用であると考えられる。本手技を確立したことにより、今後は犬・ブタ間での膵島移植を実施し、免疫抑制剤との併用による拒絶抑制効果について血糖値のみならずMRIによる画像診断を用いて実施していく予定である。
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