2008 Fiscal Year Annual Research Report
超安定化・変性ストレス耐性酵素への道-通常酵素の好塩性化と高機能化細胞への具体策
Project/Area Number |
20580372
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
徳永 正雄 Kagoshima University, 農学部, 教授 (20112782)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 松二郎 鹿児島大学, 農学部, 准教授 (20305163)
徳永 廣子 鹿児島大学, 農学部, 技能補佐員 (60381191)
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Keywords | 好塩性酵素 / 酸性アミノ酸 / 可溶性 / 封入体 / 融合蛋白質 / 大腸菌発現系 |
Research Abstract |
本研究の目的は、通常酵素に酸性アミノ酸残基を導入することで、ネットの荷電がよりマイナスに偏り、より「高い可溶性」とさらに変性時においてもマイナス荷電どうしの反発でより高い「非凝集性」を通常酵素に付与する。その結果として、新規「超可溶性・超可逆性・超安定化酵素」を育種することであり、本年度は、酸性アミノ酸の導入と好塩性酵素との融合蛋白質の形成を試みたが、主に融合蛋白法において顕著な成果が得られた。 まずは、融合蛋白質パートナーとして、中度好塩菌由来の酵素を用い、ターゲットとしては、ヒトのインターロイキンを用いた。このインターロイキン分子は、大腸菌内では封入体を形成してしまうことが良く知られているものであるが、融合蛋白質として発現させた結果、可溶性に発現し、スロンビン消化後、その生理活性を測定したところ、市販標準品と同等の活性が認められ、初めて、大腸菌を宿主として、大量に活性ある状態で分離することに成功した。 その他、デフェンシン類などのアミノ酸が30個程度の生理活性ペプチドや、直接発現では発現量が非常に少ないことが判明している極めてGCに富んだ微生物由来遺伝子産物の高発現などに成功した。また、新しい発現パートナーとして、高度好塩菌より、新しい遺伝子を検索し、候補遺伝子のクローニングを試みた。この遺伝子産物の酸性アミノ酸/塩基性アミノ酸比は、9にもなり、通常よりも極めて可溶性が高い蛋白質と考えられる。大腸菌内で発現させたところ、予想どうり可溶性画分に発現され、酵素活性も確認できた。今後、この蛋白質を発現パートナーにした融合蛋白質発現法を開発してゆきたい。
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