2009 Fiscal Year Annual Research Report
超安定化・変性ストレス耐性酵素への道―通常酵素の好塩性化と高機能化細胞への具体策
Project/Area Number |
20580372
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
徳永 正雄 Kagoshima University, 農学部, 教授 (20112782)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 松二郎 鹿児島大学, 農学部, 准教授 (20305163)
徳永 廣子 鹿児島大学, 農学部, 非常勤職員 (60381191)
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Keywords | 好塩性酵素 / 酸性アミノ酸 / 可溶性 / 封入体 / 融合蛋白質 / 大腸菌発現系 |
Research Abstract |
本研究の目的は、通常酵素に酸性アミノ酸残基を導入することで、ネットの荷電がよりマイナスに偏り、より「高い可溶性」とさらに変性時においてもマイナス荷電どうしの反発でより高い「非凝集性」を通常酵素に付与することにより、新規「超可溶性・超可逆性・超安定化酵素」を育種することである。モデル酵素ヌクレオシド-2リン酸キナーゼの塩基性アミノ酸を酸性アミノ酸に改変した変異体は、顕著な巻き戻り効率の増大を示したが、これを円偏光二色性測定を用いて構造変化の温度依存性も検討したところ、一致する結果を得た。数個の塩基性アミノ酸を好塩性酵素をテンプレートにして改変するだけで高い構造可逆性を得たことは、本研究の目的・方法が極めて妥当であることを示している。 平成20年度にデータベース検索により新たな融合蛋白質発現パートナーとして高度好塩菌由来の酵素を分離したが、その高い好塩性の予測に基づき、これを用いて融合蛋白質発現ベクターを構築した。インターロイキンや発光酵素を可溶性で発現させることを目的として検討した結果、単独では封入体を形成するこれら異種タンパク質がほとんど可溶性で発現し、この新規発現パートナーの高い可溶化力が明らかとなった。一方、数種類の「酸性アミノ酸クラスタータグ」の設計開発を行い、実際に発光酵素に適用したところ、可溶性発現の効率向上に貢献することが明らかとなった。ただ、このタグを付加することによって発現量が低下するタグもあり、今後、発現量への影響が検討課題である。
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