2008 Fiscal Year Annual Research Report
科学的根拠に基づくデザイナードラッグ等違法ドラッグの乱用防止に関する研究
Project/Area Number |
20590038
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
豊岡 利正 University of Shizuoka, 教授 (40183496)
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Keywords | 違法ドラッグ / 高感度特異的分析 / 誘導体化 / 液体クロマトグラフィー |
Research Abstract |
近年、麻薬・覚醒剤類の代用として、様々な化学物質や植物が乱用されている。これらの物質はいわゆる「脱法ドラッグ」(違法ドラッグ)と呼ばれ、健康被害や社会的弊害が懸念されている。違法ドラッグの分析は、様々な分析機関で実施されることになるが、構造が紛らわしいこれら薬物の検出のためには、迅速簡易スクリーニング法の開発が必要不可欠である。 本研究では、様々な構造を有する違法ドラッグ中のアミノ基や水酸基やカルボキシル基等の各官能基に着目し、各種の標識試薬による誘導体化を試み、各系統別に迅速高感度特異的ハイスループット分析法を確立する。また、肝ミクロソーム画分を用いたin vitro代謝実験を行い、代謝物の構造を確認し、各薬物の代謝経路を予測するとともに動物実験により尿、血液中の親化合物および代謝物の定性、定量分析を行う。 これらの薬物のこれまでの分析法としては、液体クロマトグラフィー紫外吸光度計(LC-UV)が報告されているが、十分な感度と選択性が得られず、生体試料へは適用されていない。平成20年度は、高感度迅速簡易スクリーニング法の開発のための基礎検討として、これらの薬物の構造中に存在する第一および第ニアミンに注目し、標識試薬の種類や量、反応pHや反応温度等の反応条件の最適化を実施した。具体的には、オルトフタルアルデヒド、フルオレセインイソチオシアネート、ベンゾフラザン系標識試薬等を取り上げ、最適な試薬の選択と最適な反応条件を見出した。ついでLCでの分離条件、検出条件を最適化した。その結果、11種の薬物を16分以内に分離でき、それらの検出限界はfmol-pmolレベルと高感度であり、実試料にも適用できるものと思われた。
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Research Products
(3 results)