2008 Fiscal Year Annual Research Report
DNAポリメラーゼ阻害活性を有するカテキン類の合成と構造活性相関
Project/Area Number |
20590106
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
中島 範行 Toyama Prefectural University, 工学部, 教授 (40188959)
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Keywords | カテキン類 / 3-アシルカテキン / 3-アルキルカテキン / γ-butyrolactone / 代謝物 / 比旋光度 / TBS保護基 |
Research Abstract |
カテキン類やその誘導体の合成では、フェノール性水酸基の保護基としてベンジル基が用いられてきたが、保護の際の副生成物の分離精製や再現性の問題から大量合成が困難であり、脱保護の際に不飽和結合が還元されるなどの問題があった。そこで我々は、t-butyldimethylsilyl (TBS)基を保護基として用いたカテキン誘導体の合成を検討した。この結果、3位に不飽和脂肪酸を有する3-アシルカテキン誘導体(4種)をグラムスケールで合成することに成功した。さらに、TBS基を保護基としたカテキン-カテキンの二量体合成にも成功し、カテキン類の組み合わせを変えてカテキンの二量体の合成を試みている。現在、合成した3-アシルカテキンと3-アルキルカテキンのDNAポリメラーゼ阻害活性評価を行っている。 また、カテキン類が腸内細菌等で代謝されることによりγ-butyrolactone類が生成することが報告されている。そこで、これらの鏡像体を含めた合成を計画し、光学活性benzyl glycidyl etherを出発物質として、エピガロカテキンの種々のラクトン代謝物(4種)をそれぞれ合成した。合成したラクトン化合物と、代謝実験により得られたラクトン代謝物の比旋光度を比較した結果、エピカテキン類から代謝されたラクトン化合物の絶対立体配置はRであると決定した。しかし、比旋光度の値は代謝物が合成品の約半分程度であるなど、代謝経路中に何らかのラセミ化経路の存在を示唆している。今後は、合成したγ-butyrolactone類の生理活性について検討する予定である。
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Research Products
(4 results)