2008 Fiscal Year Annual Research Report
主要カンナビノイドの代謝的相互作用を介した毒性発現の分子機構
Project/Area Number |
20590127
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Research Institution | Hokuriku University |
Principal Investigator |
渡辺 和人 Hokuriku University, 薬学部, 教授 (30113038)
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Keywords | カンナビノイド / シトクロムP450 / 酵素阻害 / グルクロン酸抱合 / COX / 酵素誘導 |
Research Abstract |
CBDのヒトCYPによる代謝:CBDはヒト肝ミクロソーム(HLMs)によりアリル位(6α、6β、7位)及びペンチル側鎖(1"~5"位)において酸化的代謝を受けた。16種のHLMsの結果から、低基質濃度(6.4μM)では主に6α水酸化体が最も主要な代謝物であったが、高基質濃度(64μM)では7位水酸化体が主要代謝物となる傾向が見られた。また、CYP選択的阻害剤を用いた検討から、ケトコナゾール(CYP3A)により、6α及び6β水酸化体、α-ナフトフラボン(CYPIA)により1"-水酸化体の生成が顕著に阻害された。カンナビノイドによるCYPの阻害:ヒトCYP1A1発現系におけるエトキシレゾルフィンO-脱エチル化(EROD)活性に対して主要カンナビノイドは強い阻害作用を示した。Ki値(μM)は4.78(△^9-THC)、0.155(CBD)、0.541(CBN)であった。また、CYP1A2発現系を用いた場合、Ki値(μM)は7.54(△^9-THC)、2.69(CBD)、0,079(CBN)であった。CBNのCYP1A2に対する阻害作用は、これまでカンナビノイドについて報告されているCYPに対する阻害作用では最も強いものである。CYP1B1発現系では2.47(△^9-THc)、3.63(CBD)、0.148(CBN)であった。また、HLMsにおけるEROD活性に対するKi(μM)は4.72(△^9-THC)、1.75(CBD)、0.081(CBN)であった。組み換えヒトCYP2A6発現系におけるクマリン7位水酸化活性に対しても、主要カンナビノイドは非競合型の阻害を示し、Ki(μM)は28.9(△^9-THC)、50.0(CBD)、39.8(CBN)であった。同様にCYP2D6発現系においては、主要カンナビノイドは混合型及び競合型の阻害を示し、IC50(μM)は40.9(△^9-THC)、16.0(CBD)、24.0(CBN)であった。ヒトCYP3A発現系を用いた検討においては、3種のカンナビノイドの中でCBDが最も強い阻害作用を示し、Ki値(μM)は0,912(CYP3A4)、0.117(CYP3A5)、13.1(CYP3A7)であった。
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Research Products
(14 results)