2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590134
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Research Institution | Aichi Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
小林 慎一 Aichi Prefectural Institute of Public Health, 生物学部・ウイルス研究室, 室長補佐 (30139737)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 照夫 愛知県衛生研究所, 生物学部・ウイルス研究室, 室長 (40402177)
安井 善宏 愛知県衛生研究所, 生物学部・ウイルス研究室, 主任研究員 (40393128)
藤原 範子 愛知県衛生研究所, 生物学部・ウイルス研究室, 技師 (10518757)
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Keywords | ノロウイルス / 中空粒子 / 抗原解析 / 遺伝子型 |
Research Abstract |
ノロウイルス(NV)はウイルス性食中毒や冬季に多発する散発性胃腸炎の主要な病原体である。しかし、NVは組織培養法や実験動物で増殖できないウイルスであるので、血清学的診断に必要なウイルス抗原を大量に確保することが困難となっている。そこで、本研究では汎用的なNVの血清学的診断法を確立することを目的として、ヒトから検出されるNVの主要な遺伝子グループであるGIとGII型NVの構造タンパク遺伝子について、各遺伝子型の株間で保存性が保たれている領域と株特異性の高い領域を選別後、遺伝子組換え大腸菌を調製することにより対象領域のタンパク発現を試みた。21年度は血清診断用のウイルス抗原を得るために、NVの構造タンパク遺伝子のcDNAを鋳型として大腸菌発現用の4種類のデリーションミュータントを作成し、大腸菌発現タンパクのポリクローナル抗体に対する反応性を比較検討した。今後もさらに、血清診断に最適な抗原を確保するために、特異性の高いウイルス抗原の選別を進める。また、7種類の遺伝子型の異なるNV株に由来するウイルス様粒子(VLPs)を抗原として愛知県民のNV株に対する抗体保有状況を調査した結果、GII.4の遺伝子型のVLPsに対する抗体保有率が最も高く、近年のGII.4株の流行を反映する結果を得ている。組換え大腸菌由来のNV抗原についても血清疫学調査への応用と評価を行う。
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