2008 Fiscal Year Annual Research Report
HCT-15細胞型Na+依存性グリセロールトランスポーターの同定と輸送機能解明
Project/Area Number |
20590151
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
湯浅 博昭 Nagoya City University, 大学院・薬学研究科, 教授 (20191471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 勝央 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 准教授 (50315892)
太田 欣哉 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 助教 (90448704)
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Keywords | グリセロール / 担体輸送 / トランスポーター / ナトリウム依存性 / クローニング / アクアグリセロポリン |
Research Abstract |
Na^+依存性グリセロール(glycerol)トランスポーターの同定のため,1)発現クローニング,2)in silico EST検索で見い出した候補遺伝子のRT-PCRクローニング,を試みた. まず,アフリカツメガエル卵母細胞を用いて発現クローニングを行うための準備として,発現系の構築を試みた. glycerol透過能を有するアクアポリン類のひとつであるヒトaquaporin9(hAQP9)のcRNAを卵母細胞に導入,発現させることにより,高いglycerol輸送活性が誘導され, hAQP9の発現に成功したものと判断された.また,導入遺伝子(cRNA及びmRNA)由来のタンパク質の機能評価系として利用可能と判断された.現在, HCT-15細胞由来のmRNAの導入によるglycerol輸送活性について検討中であるが,再現性良くglycerol輸送活性を検出するには至っていない. 発現クローニングと並行して, in silico EST検索による方法にも取り組んだ.候補となり得る機能未知のトランスポーター様タンパク質をコードする遺伝子を検索したうえで,臓器分布に関するデータベース情報を利用し,候補を絞り込んだ. RT-PCRクローニングにより20の遺伝子のcDNAを得ることに成功し,それぞれを哺乳類細胞発現用ベクターに組み込んでHEK293細胞に一過性に導入したが, glycerol輸送活性を誘導する遺伝子を見い出すことはできなかった. なお, AQP類はチャネルとされているが, hAQP9がトランスポーター的な機能特性を有することが見い出された. Na^+依存性glycerolトランスポーターの同定には至っていないが,興味深い知見であり, glycerol輸送に関わるトランスポーター群の全容解明に役立つものと考えられる.
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