2010 Fiscal Year Annual Research Report
シナプス成熟過程におけるイオンチャネル局在化のメカニズム
Project/Area Number |
20590217
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
中平 健祐 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (10260043)
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Keywords | シナプス伝達 / 電位依存性Kチャネル / 小脳顆粒細胞 / 苔状線維 / 培養神経細胞 |
Research Abstract |
シナプスの興奮性を抑制する電位依存性K+チャネルであるKv4.2は、シナプス入力に依存してシナプス近辺の樹状突起へと集積する。小脳初代培養細胞においてKv4.2は顆粒細胞の細胞体に発現するが、苔状線維(橋核細胞)との共培養によるシナプス形成によってシナプス近傍への局在が観察される(Shibasaki et al. 2004)。Kv4.2タンパクのN-末端、またはC-末端にEGFPを付加した融合タンパクの発現について検討した。COS-1細胞で強制発現されたチャネルタンパクは、ERマーカーである抗KDEL抗体、およびゴルジ体マーカーである抗Golgi58K抗体をもちいた2重染色でERマーカーと分布が一致していた。融合タンパクの'細胞内局在は、付加されたEGFPの部位よる違いはなかった。Kv4.2結合たんぱく質であるKChIP-1を強制発現させると、チャネルの分布は主にゴルジ体マーカーと一致した。KChIP-1と類似のタンパクであるNCS-1でも同様の効果がみられた。これらからCOSおよびL細胞の発現系ではERからゴルジ体へ移行促進がチャネルの発現促進の主因になっていると考えられた。また、これら結合タンパクはチャネルのN-末端側に結合すると考えられているため、N-末端融合タンパクに対しても同じ効果があることは興味深い。N-末端へのGFP付加はチャネルのAタイプ不活性化の性質を阻害するが、その近傍でおこるタンパク相互作用には影響しないと考えられる。
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Research Products
(1 results)