2010 Fiscal Year Annual Research Report
消化管における遺伝子発現リズム発振の分子基盤に関する研究
Project/Area Number |
20590233
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
合田 敏尚 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (70195923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
望月 和樹 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (80423838)
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Keywords | 時計遺伝子 / 小腸 / 日内リズム / 転写調節 / 糖輸送担体 |
Research Abstract |
マウスを12時間ごとのLight-Darkサイクル(明期7:00-19:00)の条件下で飼育し、一方の群は標準固形飼料を自由摂取させ、もう一方の群には明期の8時間(9:00-17:00)のみに食事を可能とする明期制限給餌を10日間行った。DNAマイクロアレイ解析により、顕著な日内変動を示す遺伝子のスクリーニングを行ったところ、多くの消化吸収遺伝子の発現は日内リズムを示し、そのピークは自由摂取群では19:00付近、制限給餌群では3:00であり、およそ8時間シフトしていた。一方、ヒストンH1に関連するヒストンH1fx、 H1hlb、 H1hle、 および転写反応阻害因子Hexim1の遺伝子発現のリズムは、自由摂取群、制限給餌群のいずれでも、位相は大きく変化せず、消化吸収関連遺伝子とは異なる固有のリズムを示した。消化吸収関連遺伝子発現の日内リズムにおけるヒストンコードの役割を検討するために、SGLT1遺伝子をモデルとして、クロマチン免疫沈降法によって、遺伝子上に結合する修飾ヒストンおよび転写調節因子の量を調べたところ、ヒストンのアセチル化量は消化吸収関連遺伝子の発現増大に先立っていた。SGLT1遺伝子上へのBRD4とP-TEFbの結合は特に転写領域内で変動する日内リズムを示しており、その結合の増大はヒストンのアセチル化に先立って起こっていた。以上の結果より、小腸消化吸収関連遺伝子の日内リズム制御には、正の調節因子としてクロマチンリモデリング因子であるBRD4-P-TEFb複合体とそれに付随するヒストンのアセチル化が関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(8 results)