2010 Fiscal Year Annual Research Report
Rab13結合蛋白質JRAB/MICALーL2による細胞極性・接着の制御機構
Project/Area Number |
20590283
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
西村 範行 神戸大学, 医学研究科, 准教授 (00322719)
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Keywords | JRAB/MICAL-L2 / Rab13 / Rab8 / アクチニン4 / タイトジャンクション / アドヘレンスジャンクション |
Research Abstract |
生体のホメオスターシスを維持するためには、上皮細胞の接着・極性を制御するタイトジャンクション(TJ)とアドヘレンスジャンクション(AJ)が、さまざまな刺激に応じてダイナミックに再構築される必要がある。これにはTJとAJを構成する接着分子クローディン・オクルディンとカドヘリンの細胞膜への小胞輸送の調節が重要だと考えられる。研究代表者は、これまでに60以上のメンバーが同定されている細胞内小胞輸送の代表的な制御系であるRabファミリー低分子量G蛋白質(Rab)に注目して、オクルディンの細胞膜へのリサイクリングを制御するRabとしてRab13-JRAB/MICAL-L2(JRAB)系を同定している。本研究では、酵母Two-hybrid法を用いてJRAB結合蛋白質をスクリーニングすることによって、JRABが細胞膜ではRab13と、エンドソームではRab8と結合してTJとAJの形成を制御することを明らかにした。さらに、Rab13と結合したJRABは、アクチン結合蛋白質アクチニン4を介して細胞膜へ局在することを示した。これらの結果から、JRABは、Rab8-JRAB系としてカドヘリンの小胞輸送を、Rab13-JRAB-Actinin4系としてクローディン・オクルディンの小胞輸送を制御することによって、上皮細胞の接着・極性をコントロールすることが明らかになった。このように、本研究は順調に進展し、当初の目的を達成できた。
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