2008 Fiscal Year Annual Research Report
アポトーシス関連遺伝子Par-4による子宮内膜発癌抑制機構の解明と治療への展開
Project/Area Number |
20590352
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
三枝 信 Kitasato University, 医学部, 准教授 (00265711)
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Keywords | Par4 / 正常子宮内膜 / 月経周期 / 子宮内膜癌 |
Research Abstract |
平成20年度は、本研究の第一の目的である「Par-4はどのような機序でその発現が制御されているか?」について、計画書に沿って臨床検体(正常及び腫瘍性子宮内膜組織)を用いて検索を行った。 1)正常子宮内膜:免疫組織化学検索で、Par4蛋白発現は内膜腺上皮では細胞質内増殖期から分泌期を通じて恒常的に発現していたが、核内発現は分泌期後期のみ認められた。一方、間質細胞では、分泌期中期から月経期にかけてその細胞質及び核発現が認められた。Par-4mRNAをもとに作成した約400b pのRNA probe in situ hybridizationによる検討で、Par-4 mRNA発現は内膜腺細胞では月経周期を通じて恒常的に発現が認められたが、間質細胞ではその蛋白発現と一致して分泌期後期にかけてその発現が増加する傾向があった。以上から、Par4発現制御機構は内膜腺上皮細胞と間質細胞で異なり内膜腺上皮細胞では細胞質内Par4の核内移行、及び間質細胞ではPar4発現誘導が月経期の子宮内膜脱落に関与する等の可能性を得た。 2)癌組織:Par4蛋白発現は正常内膜に比べて著しく減少し、殆どの症例は陰性ないし散在性の弱シグナルを示した。現在、in situ hybridizationによるPar-4 mRNA発現の検索中である。更に、Par4遺伝子のgenetic,/epigeneticな検索も行う予定である。 3)内膜癌細胞培養: Ishikawa及びHec251細胞で、血清除去によるapoptosis誘導によりPar4蛋白の発現増加とその蛋白の核内への移行が認められた。また、レポーターアッセイによりPar4プロモーターはrelAにより活性化することを見出した。 今後、上記検索をさらに進めて、Par4遺伝子発現制御機構を解明する予定である。
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