2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590427
|
Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
川合 覚 Dokkyo Medical University, 医学部, 准教授 (70275733)
|
Keywords | 磁気共鳴画像 / MRI / 脳マラリア / Plasmodium coatneyi / マラリア疾患モデル |
Research Abstract |
●平成21年度実施研究 1) サルマラリア感染個体による脳MRI解析および造影灌流強調画像解析:ニホンザル2頭にサルマラリア原虫(Plasmodium coatneyi)を静脈内接種し、感染経過にともなう脳MRI解析および造影灌流強調画像解析を行なった。その結果、両個体ともに微小出血や梗塞巣、浮腫等の器質変化を疑うMRI所見は認められなかった。また造影灌流強調画像解析では脳血液量(rCBV)、平均通過時間(MTT)および血流量(rCBF)を測定し、感染前と重度発症時の比較を試みた。その結果、前頭部、側頭部、後頭部および小脳において感染前と発症期との間に明確な違いは認められなかった。 2) 病理組織学的観察:各感染個体の最終MRI撮像の直後に剖検し、脳の病理組織学的観察をおこなったところ、大脳および小脳血管内に多数の感染赤血球接着像(sequestration)が認められた。 ●結論と次年度の計画:脳血管内におけるsequestrationの形成は脳マラリアの特徴的病理現象であり、この現象は本研究の感染個体でも高頻度に認められた。その一方で、今年度の研究では発症時の脳MRI所見および血流環境に著しい変化は認めらなかったことから、sequestrationの形成が短時間で脳の器質障害に結びつかないことが示唆された。次年度では感染個体の脳各部位の病理変化と、MRIデータおよび造影灌流強調画像データの関係を詳細に解析し、総合的な結論を導き出す。
|
Research Products
(19 results)
-
-
-
-
[Journal Article] Lineage-specific positive selection at the merozoite surface protein 1(msp1)locus of Plasmodium vivax and related simian malaria parasites2010
Author(s)
Sawai H., Otani H., Arisue N., Palacpac N., Martins LO., Pathirana S., Handunnetti S., Kawai S., Kishino H., Horii T., Tanabe.
-
Journal Title
BMC Evol.Biol. 10
Pages: 52
Peer Reviewed
-
-
-
[Presentation] 次世代シーケンサーによる新規マラリア原虫ゲノムの解読2010
Author(s)
橘真一郎, 川合覚, 後藤直久, 中村昇太, 片貝祐子, 澤井裕美, 東岸任弘, 北潔, 保富康宏, 堀井俊宏, 安永照雄, 田邉和裄
Organizer
第4回日本ゲノム微生物学会年会
Place of Presentation
福岡県福岡市
Year and Date
20100307-20100309
-
[Presentation] 次世代シーケンサーによるサルマラリア原虫 Plasmodium cynomolgi のゲノム解読2010
Author(s)
橘真一郎, 川合覚, 後藤直久, 中村昇太, 片貝祐子, 澤井裕美, 東岸任弘, 北潔, 保富康宏, 堀井俊宏, 安永照雄, 田邉和裄
Organizer
第8回感染症沖縄フォーラム
Place of Presentation
沖縄県那覇市
Year and Date
2010-02-11
-
-
-
-
-
[Presentation] 新規抗マラリア薬の開発研究-環状過酸化化合物の抗マラリア活性と体内動態-2009
Author(s)
松本雅弘, 岡田和朗, 脇本達也, 笹岡健二, 森田将之, 小山貴彦, 益山新樹, 野島正明, 川合覚, 平岡修, 平本一幸, 平本晃子, 佐藤聡, 金恵淑, 綿矢有佑
Organizer
第8回分子寄生虫・マラリア研究フォーラム
Place of Presentation
大阪府吹田市
Year and Date
20091009-20091010
-
-
-
-
-
-