2008 Fiscal Year Annual Research Report
Entamoebaの嚢子形成及び脱嚢に必須な運動性調節機構の解析
Project/Area Number |
20590432
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
牧岡 朝夫 Jikei University School of Medicine, 医学部, 准教授 (90119850)
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Keywords | Entamoeba / 脱嚢 / 嚢子形成 / アクチン細胞骨格 / コフィリン / Arp2 / 3 |
Research Abstract |
アメーバの脱嚢及び嚢子形成に必須なアクチン細胞骨格再編成の重要分子であるアクチン脱重合分子コフィリン(cofilin:Cf)ならびにArp2/3に注目し、以下の実験を行った。1.相同検索:赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)及びEntamoeba invadensのゲノムデータベースを用いた相同検索を行い、赤痢アメーバにはEhCf-1(138アミノ酸)、-2(139アミノ酸)の2種の存在が判明した。一方、E.invadensにはEhcf-1に相同な3種のEicf-1(138アミノ酸)、-2(138アミノ酸)、-3(139アミノ酸)とEhcf-2に相同なEiCf-2(137アミノ酸)の存在が明らかになった。同様に相同検索の結果、赤痢アメーバのEhArp2(401アミノ酸)、EhArp3(415アミノ酸)、これらと相同なE.invadensのEiArp2(398アミノ酸)、EiArp3(416アミノ酸)の存在が判明した。さらに、運動性の本体であるアクチンの3種(EiAct-1、-2、-3)もE invadensデータベースから得られた。2.クローニング及び塩基配列の決定:これらの分子について、cDNAをテンプレイトにしたPCRによる増幅、プラスミドへの導入を行い、その塩基配列を決定した。3.脱嚢誘導に伴うmRNAレベルの解析:脱嚢誘導前と誘導5時間後のmRNAレベルを各コフィリンについて比較したところ、すべてのコフィリンで亢進が認められたが、cytochalasin D存在下ではCf1-1とCf1-3で著明な亢進が認められた。4.栄養型及び嚢子におけるmRNAレベルの比較:栄養型と嚢子のmRNAレベルの比較では、Cf1-1とCf1-3は栄養型でもほとんど発現されておらず、一方Cf1-2とCf2は栄養型で高い発現が認められた。5.siRNAの脱嚢への効果:EiCf1-1に対するsiRNAを作成し、cytochalasin D存在下で脱嚢促進効果に対する影響を調べた結果、その効果を減弱させることが明らかになった。
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