2010 Fiscal Year Annual Research Report
Entamoebaの嚢子形成及び脱嚢に必須な運動性調節機構の解析
Project/Area Number |
20590432
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
牧岡 朝夫 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (90119850)
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Keywords | Entamoeba / 嚢子形成 / 脱嚢 / アクチン細胞骨格 / プロフィリン |
Research Abstract |
アメーバの脱嚢及び嚢子形成に必須なアクチン細胞骨格再編成の重要分子であるアクチン脱重合因子コフィリン(cofilin)の解析を終了し、論文として発表した。次にプロフィリン(profilin : PFN)に注目し解析した。プロフィリンはADP結合アクチンユニットに結合して、ADPとATPの交換を刺激することでコフィリンの効果を逆転させ、プロフィリンと結合したATP結合アクチンユニットはコフィリンと分離して自由に重合することができる。更に、プロフィリンはアクチン結合部位の他にプロリン結合部位及びホスホイノシチト結合部位をもつことから、多機能蛋白質として機能することが明らかになっている。1.相同検索:Entamoeba invadens(Ei)のゲノムデータベースを用いて相同検索を行った結果、EiにはPFN1(132アミノ酸)、PFN2(129アミノ酸)、PFN3(130アミノ酸)、PFN4(131アミノ酸)の4種のPFNの存在が明らかになった。2.クローニング・塩基配列の決定:4種PFNにつき、cDNAをテンプレイトにしたPCRによる増幅、プラスミド(pQE31)への導入を行い、その塩基配列を決定した。3.局在の解析:EiPFN1及びアクチンに対する抗体を用いた蛍光抗体法により局在を調べた結果、栄養型、嚢子、脱嚢したアメーバのいずれも細胞膜直下の領域が両者ともに染色され、同じ局在を示した。特に、栄養型の仮足の部分は両者ともに強く染色され、アメーバの運動への関与が強く示唆された。4.栄養型、嚢子のPFNのmRNAレベル:栄養型ではPFN1とPFN4がPFN2とPFN3よりもより多く発現され、嚢子ではPFN1とPFN3がほぼ同じレベル、PFN4が続き、PFN2は極めて低いレベルであった。5.嚢子形成・脱嚢に伴うmRNAレベル:嚢子形成初期にPFN2以外の3種PFNの発現の増加が認められ、後期には減少した。一方、脱嚢誘導によりすべてのPFNのmRNAレベルの亢進が確認された。
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Research Products
(2 results)