2010 Fiscal Year Annual Research Report
毒素原性大腸菌の病原プラスミド水平伝播の分子生物学的・分子疫学的解析
Project/Area Number |
20590459
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
越智 定幸 藤田保健衛生大学, 医学部, 准教授 (80268705)
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Keywords | 毒素原性大腸菌 / 易熱性エンテロトキシン / 病原プラスミド |
Research Abstract |
毒素原性大腸菌(ETEC)は、易熱性エンテロトキシン(LT)、あるいは、耐熱性エンテロトキシン(ST)を産生し、感染した宿主に下痢症を引き起こす。本菌病原性の多様性の一つの原因は、これらエンテロトキシンの一方、あるいは、両方をコードするのかによる。既に全塩基配列を決定したETEC H10407株のEntプラスミド、pEntH10407は、両エンテロトキシン遺伝子をコードすることが高病原性の一因と考えられている。ETEC菌株の病原性とEntプラスミドの関係を明らかにするためは、Entプラスミドの比較が必要であることから、ETEC菌株の収集を行った。ブラジル・サンパウロの小児下痢症患者から単離されたETEC菌株をアガロースゲルに包埋し、パルスフィールドゲル電気泳動によりDNAを分離した。LT遺伝子(elt)に対するDNAプローブを用いてサザンハイブリダイゼーションを行ったところ、pEntH10407よりも25Kb以上大きな分子サイズを示すEntプラスミドを有するETEC菌株が見出された。次に、このEntプラスミドにおけるST遺伝子(est)の有無を調べるため、est(Ia、または、Ib)を特異的に検出するPCR試験を行った。しかしながら、予想される分子サイズの増幅断片は検出されず、本Entプラスミドは、estを有していないと考えられた。また、Tra領域の有無について調べるため、Tra領域をPCRスキャニングした。その結果、本Entプラスミドにおいては、2種のtra以外のtraが全て検出され、不完全なTra領域を形成するpEntH10407とは異なり、ほぼ完全なTra領域を有していると考えられた。
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Research Products
(6 results)