2009 Fiscal Year Annual Research Report
病院情報システムの蓄積データを活用したオーダ時警告システムの構築に関する研究
Project/Area Number |
20590504
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
美代 賢吾 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 講師 (40302690)
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Keywords | 医療安全 / 処方オーダシステム / 意思決定支援システム / 病院情報システム / 電子カルテ |
Research Abstract |
「過去の実績データに基づくオーダ時の警告・アドバイス」手法を用いる医療事故防止システムの実用化に向けたアプローチの検討を目標とし、平成21年度は、以下の研究計画を実施した。 1)有効なアプローチの検討 投与量の分布が異なる場合、それに応じた閾値を設定する必要があることがあきらかになり、薬剤ごとの投与量の分布の分析をおこなうことで、その類型化を試みた。また、様々に設定した閾値を用いた警告のシミュレーションから過去の処方データと病名データだけでは有効な警告が難しいことが明らかになり、次年度さらに患者データを追加して、手法の有効性を高めることになった。 2)データベースの構築と警告ウィンドウの試作 昨年度の研究成果をもとに、警告に使用するデータを格納するデータベースを、リレーショナルデータベースを用いて試作した。また、医師への警告のための表示システムを、汎用性を考慮しWebブラウザで表示可能な形式で記述し試作した。 3)国内外の状況調査と専門家との打ち合わせ 国内外の文献の調査では、病院情報システムを用いてオーダ時に処方間違いや過量の警告システムの開発が盛んに行われていることが分かった。しかし、ほとんどの研究報告では本研究のアプローチとは異なり、医薬品の添付文書データに基づく従来の警告システムであり、誤警告の多さが課題となっていた。引き続き、本研究を進めることで、先進的な警告システムの開発が可能となると考える。
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