2009 Fiscal Year Annual Research Report
非ステロイド性抗炎症薬による小腸傷害における腸管マクロファージの役割に関する研究
Project/Area Number |
20590550
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
加藤 伸一 Kyoto Pharmaceutical University, 薬学部, 准教授 (90281500)
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Keywords | 非ステロイド性抗炎症薬(NSAID) / 消化管マクロファージ / 消化管傷害 / 一酸化窒素 / 内皮型NO合成酵素(eNOS) / α7ニコチンアセチルコリン受容体 |
Research Abstract |
1.非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)による消化管傷害の病態に関する検討を行い、以下の成果が得られた。 1)関節炎ラットにおけるNSAID誘起胃損傷の増悪はiNOSおよびeNOS選択的阻害薬によりそれぞれ部分的に、また両阻害薬の併用によりほぼ完全に抑制された。関節炎ラットの胃粘膜ではiNOSのみならずeNOS発現が増大していることを認めた。ゆえに、関節炎発症時におけるNSAID誘起胃損傷の増悪にはiNOSおよびeNOS発現の増大に伴うNOの過剰産生が関与していることが判明した。元来、保護的役割を担うと考えられてきたeNOS/NOも関節炎発症時には傷害性に作用するものと推察される。 2)プロトンポンプ阻害薬であるランソプラゾールがNSAID誘起小腸傷害を抑制することを見出した。この抑制効果はヘムオキシゲナーゼ(HO)阻害薬により消失し、またランソプラゾールの投与がHO-1発現を増大させることを観察した。ゆえに、NSAID誘起小腸傷害に対してランソプラゾールはHO-1誘導を介して保護作用を発揮することが判明した。 3)ニコチンおよびα7型ニコチン受容体(α7nAChR)作動薬の投与がNSAID誘起小腸傷害を有意に抑制することを見出した。また傷害部位ではα7nAChRの発現がマクロファージなどの炎症性細胞で増大していることを観察した。ゆえに、α7nAChRの活性化はNSAID誘起小腸傷害に対して保護作用を発揮することが判明した。 2.消化管マクロファージの関与についてG-CSF欠損マウス(op/op)用いて検討した 1)NSAID誘起小腸傷害の発生はop/opマウスと野生型マウスに差が無く、G-CSF依存性マクロファージは本病体には関与していないことが明らかになった。 2)慢性胃潰瘍の治癒がop/opマウスでは有意に遅延していることを見出した。現在、その機序について検討中。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Prevention by lansoprazole, a proton pump inhibitor, of indomethacin-induced small intestinal ulceration in rats through induction of heme oxygenase-1.2010
Author(s)
Yoda Y, Amagase K, Kato S, Tokita S, Murano K, Kakimoto H, Nishio H, Umegaki E, Takeuchi K, Higuchi K.
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Journal Title
Journal of Physiology and Pharmacology (in press)
Peer Reviewed
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