2010 Fiscal Year Annual Research Report
肥満抑制および改善作用を有する亜鉛含有医薬品の開発
Project/Area Number |
20590551
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
安井 裕之 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (20278443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 豊 京都薬科大学, 薬学部, 講師 (20388028)
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Keywords | 肥満抑制作用 / メタボリック症候群 / 2型糖尿病 / 亜鉛錯体 / 体内動態 / 膵アミラーゼ阻害 / α-グルコシダーゼ阻害 / 膵リパーゼ阻害 |
Research Abstract |
21世紀の最大の生活習慣病と位置づけられ難治性疾患糖尿病は、わが国では治療中および潜在患者を含めると1600万人に達すると言われており、新たな治療薬の開発が強く要望されている。我々は、実験モデル動物を用いた検討から、亜鉛錯体に2型糖尿病におけるインスリン抵抗性の改善作用があることを見出した。今回の研究では、(1)糖尿病改善作用のみならず、糖質吸収に関わるα-グルコシダーゼや、脂肪吸収に関わる膵リパーゼと亜鉛錯体との相互作用の観点から肥満抑制・改善作用を解明すること、さらに(2)従来のPPARγアゴニストであるチアゾリジン化合物に代わるアディポネクチン分泌薬としての亜鉛含有無機医薬品を開発することを目的として3年間の研究を計画した。平成20年度は、有望な亜鉛錯体に関する配位子・錯体の合成、それらの物性解析、インビトロ実験系(ラット遊離脂肪細胞、3T3-L1培養脂肪細胞、ラット小腸由来α-グルコシダーゼ、ブタ膵臓由来リパーゼ)を用いた活性評価を中心に検討を行った。その結果に基づいて平成21年度は、天然物であるトロポロンの誘導体を配位子とした亜鉛錯体を中心として、インビボ実験系における検討を行い、従来よりも高い血糖効果作用を有するチオトロポロン亜鉛錯体を見出した。しかし、本錯体の作用臓器が主に肝臓と筋肉に限定され、脂肪組織に対して作用しないため、肥満抑制は認められなかった。今後は、作用点である脂肪組織をターゲットとした、脂肪組織に分布する亜鉛錯体を設計する必要がある。
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Research Products
(24 results)