2009 Fiscal Year Annual Research Report
1分子蛍光相関法による転写因子NF-κB高感度・迅速検出法開発と救急医療への応用
Project/Area Number |
20590559
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
北島 勲 University of Toyama, 医学薬学研究部, 教授 (50214797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仁井見 英樹 富山大学, 大学病院, 助教 (50401865)
畠山 登 富山大学, 大学病院, 准教授 (70251907)
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Keywords | 1分子蛍光法 / 転写因子 / NF-κB / 炎症性サイトカイン / 迅速検査 / 全身性炎症反応症候群 / 救急医療 / 菌血症 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き1分子蛍光相関法(FCS)による転写因子NF-κB活性化の定量検査法に関する測定制度を向上させるための基礎的な検討を行い、以下に示すような改良を加えた。さらに健常者を用いた全血から白血球からの核蛋白中のNF-κB定量値を算出し、本方法による健常者のNF-κB活性化基準範囲を設定することができた。 1) 全血からの白血球分離と迅速な核蛋白抽出法の改良:SIRS症例とくに重篤な急性呼吸器障害(ARDS)を発症した患者はリンパ球が減少し好中球が増加する症例が多く存在する。そこでPolymorphoprep Biocolle, Mono-Poly, Rosette-sepの4剤による全血からの分離を検討した。その結果、Biocolleは全くは白血球層が分離できす、Rosette-sepは白血球層が形成されるものの赤血球層との分離が困難であり最終的にPolymorphoprepから好中球が多数分離できることが判明した。リンパ球の単離は昨年報告した白血球吸着フィルター膜吸引方式、好中球の単離はPolymorphoprepによる遠心分離法を病態に応じて使い分けるプロトコールを確立した。 2) 健常人43名に対して1)の方法でリンパ球を単離し、FCS法によるリンパ球核蛋白1μg中のNF-κB量を測定した。その結果、0-0.05ngの範囲にあることが明らかになった。さらにこの値は肥満やメタボリックシンドロームで増加する傾向にあることが明らかになった。 3) 病院救急外来・手術室・集中治療室に急患として搬送された患者のりちSIRS患者20名、血液培養で因菌が同定された菌咀症20例を目標に臨床検体を集積中である。とりわけ上部消化管疾患と下部消化管疾患とに分けた解析も実施中であり、経時的測定による予後との関連を明らかにする研究が当初の計画どおり順調に進んでいる。また、平成22年3月の時点で目標数50例に対して23例のデータが集まり,炎症性サイトカインTNF-α,IL-6,IL-8,IL-18,MCP-1との相関を解析中である。
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Research Products
(5 results)