2008 Fiscal Year Annual Research Report
11ーデヒドロトロンボキサンB2の生理的意義:血小板機能とアスピリン不応答性
Project/Area Number |
20590573
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
小林 和子 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 非常勤研究員 (20304298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 栄次 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (20181688)
西井 伸洋 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (50537214)
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Keywords | トロンボキサンB2 / 血小板機能 / アスピリン抵抗性 / 疾患モデルマウス |
Research Abstract |
アスピリンは世界で最も繁用されている抗血小板薬であるが、適切にアスピリンを服用しているにもかかわらず心血管イベントを発症する患者がおり、「アスピリン不応答性(抵抗性)」と呼ばれている。アスピリン不応答についてはいくつかの検査法があるが、現時点では個々の患者に対してアスピリン不応答か否かを判定して予後を予測する、あるいは治療方針を決定するための根拠となる標準化き軸た検査法演整備されていない。 本研究では、アスピリン不応答を判定するための検査法としての、抗11-dhTXB2抗体を用いたELISAの有用性を評価するために、まず高脂血症の疾患モデルマウスを用いて高脂肪食の負荷に伴う動脈硬化の進展と尿中の11-デヒドロトロンボキサンB2(11-dhTXB2)の関係を調べた。 12週齢の、Apoe^<-/->、Ldlr^<-/->、およびC57BL/6Jマウスについて、普通銅料または高脂肪飼料で28週齢まで飼育しながら4週ごとに採尿、擦血を行い、血清脂質(総コレステロール、中性脂肪)、11-dhTXB2、血清酸化LDL/β2GPI複合体を測定した。その結果、週齢とともにコレステロール値が上昇し、また抗11-dhTXB2抗体を用いたELISAにより測定した尿中の11-dhTXB2値も上昇した。この結果から動脈硬化の進展に伴う血管内皮の障害による血小板の活性化が示唆された。マウス血清中の血中酸化LDL/β2GPI複合体を検出するELISAについても、高感度化の条件を検討した。 得られた基礎データをもとに2009年度はアスピリンや他のCOX阻害薬、スタチン等の動脈硬化モデルマウスへの投与時の動脈硬化の進展および尿中11-dhTXB2との関係を精査する。
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