2010 Fiscal Year Annual Research Report
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20590576
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
梅野 真由美 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (00213497)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 陽一 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (10363160)
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Keywords | 不妊症 / 遺伝子解析 |
Research Abstract |
1.男性不妊症におけるY染色体の欠失解析法の研究 男性不妊症患者のY染色体の微少欠失の解析法については、Multiplex PCR法およびマイクロチップ電気泳動法を使用する、簡単で迅速な検査法について開発を進めている。従来のMultiplex PCR法と、血液直接PCR法を用いたDNA増幅法を使用し、アガロース電気泳動法およびマイクロチップ電気泳動装置を利用した解析法の検討を行なった。その結果、いずれのDNA増幅法を使用しても、マイクロチップ電気泳動装置を用いて迅速に解析でき、良好な結果が得られた。 2.Y染色体に関する遺伝的背景の研究 Y染色体に存在する性決定因子であるSRY遺伝子の成り立ちについて解析を行った。その結果、SRYはproto Y染色体上にあったSOX3遺伝子の上流にDGCR8が挿入され、誕生したことを明らかにした。 また、Y染色体の多型解析は人類の進化、人種・民族などのルーツや移動を調査するのに用いられている。今回、約3000人の日本人男性についてY染色体のハプロタイプの解析を行った。その結果、日本人はC,DE,02b*,02b1,03のグループに分類され、日本人男性集団には遺伝的に異なった2つの集団、縄文系、弥生系が存在することがわかった。 3.不妊症に関する関連研究 人工的に卵を活性化する方法として、これまでカルシウムイオノファとピューロマイシンの併用が報告されているが、M-phase promoting factor (MPF)の作用を特異的に阻害するロスコビチンは、卵にどのような作用を及ぼすかを検討する目的で、マウス卵を用いてMPF活性の変化および形態学的変化を経時的に測定・観察し、それぞれの関連性について検討した。その結果、卵の活性化に関して、ロスコビチンはカルシウムイオノファとの併用によりその効果が認められること、その作用はMPF活性の低下を介していること、また、その効果はピューロマイシンに匹敵することが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)