2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590615
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
渡辺 哲 Tokai University, 医学部, 教授 (10129744)
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Keywords | 予防医学 / 脂肪肝 / 肝発癌 / 酪酸菌 |
Research Abstract |
わが国をはじめ世界的に患者が増加している非アルコール性脂肪性肝障害(NAFLD)は、約15〜20%は肝硬変、肝臓癌へと進行する。本年度はヒトのNAFLDからの肝発癌モデルとして、コリン欠乏アミノ酸置換(CDAA)食投与ラットを用い、脂肪肝からの肝発癌過程を酸化ストレスの面より検討した。 実験にはFisherラットを用い、CDAA食を与え、コントロールとしてCSAA食を投与した。また、腸管内で酪酸を産生する酪酸菌をCDAA食に混ぜ経口投与し、その効果を検討した。 CDAA食投与1週目に肝細胞障害がみられ、2週目には著明な脂肪滴が肝細胞に観察された。4週目にはAzan染色で軽度の線維化が観察された。8週目には脂肪沈着に加え、Azan染色で線維の増生がみられた。8週目の肝組織を用い、酸化ストレスのマーカーである 8-hydroxy-2'-deoxyguanosine(8-OHdG)と4-hydroxy-2-nonenal(4-HNE)を酵素抗体法で検出した。8-OHdGはこの時点では検出できなかったが、4-HNEは中心静脈や線維化部位を中心に検出された。CDAA食に酪酸菌を混ぜて投与した群では、4-HNEの発現が減少していた。 今年度の研究において、CDAA食とCSAA食は輸入品であるため取得に時間がかかり、研究開始が遅れたため、現在遺伝子発現と蛋白発現はReal time PCRとWestern blot法で解析中である。項目は、炎症性サイトカインのTNF-αや転写因子NF-кB(RelA)である。また、MAPキナーゼのc-Junやc-JunN-terminal kinase(JNK)の活性化をリン酸化の有無で検討予定である。
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Research Products
(5 results)