2011 Fiscal Year Annual Research Report
「子どものこころ」の発達に及ぼす食育のあり方に関するコホート研究
Project/Area Number |
20590667
|
Research Institution | 金沢学院 |
Principal Investigator |
相良 多喜子 金沢学院短期大学, 食物栄養学科, 教授 (30249164)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 裕之 金沢大学, 医学系, 教授 (30231476)
三辺 義雄 金沢大学, 医学系, 教授 (60181947)
|
Keywords | 子ども / こころ / 食育 / 発達 / コホート研究 / 自閉症 / 食育プログラム / 健康 |
Research Abstract |
近年、自閉症スペクトラム障害(ASD)と診断される児は増加傾向たある。本研究では自閉症傾向にある児の食育を含む生活環境因子およびアレルギー疾患との関連を明らかにし、自閉症傾向児の早期発見のための指標を構築する目的で調査を行った。金沢市内の保育園、幼稚園に通う3歳児、4歳児、5歳児の幼児とその保護者に対して、自記式配票調査を行った。調査項目は、児と親の基本事項、生活環境(築年数、自宅前交通量、)家族環境(世帯数、兄弟数、家族喫煙)、アレルギー疾患(喘鳴、鼻アレルギー、花粉症、皮疹)とし、自閉症傾向については、自閉症スクリーニングシート(日本語版)を用いた。解析はSPSS veL19 for Winを用い、有意水準は5%とした。協力者は1407名で回収率は保育園50.6%、幼稚園70.4%であった。自閉症得点とアレルギー疾患に対するx^2検定を行ったところ、得点の高い群では、3歳以上の群において、喘鳴、鼻アレルギーp<0.05)が有意に多かった。また多重ロジスティック解析においても、3歳以上で、性別(p<0.001)、出生順位、鼻アレルギー、皮疹(p<0.05)、に有意差が見られた。アレルギー疾患と自閉症スクリーニング調査項目でx^2検定を行ったところ、3歳以上では、特に鼻アレルギー疾患を有する児には、自閉症児の障害の特徴である「独特の興味・こだわり行動」の項目に関連が多く見られた。本研究において、児の自閉症傾向と各アレルギー疾患には関連が認められた。鼻アレルギー疾患および自閉症の障害である「独特の興味・こだわり行動」の特徴において有意な関連が示唆された。以上から、食育およびアレルギーの評価を含めた新しい指標によってASDをスクリーニングすることが可能であると考えられた。
|
Research Products
(10 results)