2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590674
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
大島 徹 Kanazawa University, 医学系, 教授 (40183024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚 正彦 金沢大学, 医学系, 講師 (00272956)
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Keywords | 法医診断 / 肺組織 / 単球系細胞 / マクロファージ / 巨細胞 / 窒息 / 熱傷性ショック / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
機械的窒息例の肺組織を観察すると、単球系細胞(単球、マクロファージ、多核巨細胞)の出現が認められることは知られているが、これら細胞の数量的評価は未だ充分には行われていない。本年度は、熱中症を疑われる6ヶ月男児、熱傷性ショックで死亡した44歳及び85歳男性、ならびに87歳女性のグループ(第1群)と、機械的窒息で死亡した2ヶ月及び6ヶ月の男児、並びに64歳男性と40〜50歳の身元不明男性のグループ(第2群)に分けて、細胞数の比較検討を行った。 司法解剖施行時に採取した肺組織を通常のホルマリン固定後、パラフィン切片を作製して、まずヘマトキシリン・エオジン(HE)染色を施して観察した。対物レンズを40倍とする高倍率下で、無作為に選んだ視野に観察される肺胞内浸出液の量、及び細胞数を調べた。 この際、単球及びマクロファージは顆粒を伴う広い胞体を有し、肺胞壁から肺胞側に遊離しているものを選んで算定し、多核巨細胞は核が2個以上のものを数えた。また、免疫組織化学的検討として、HAM56をはじめとする抗マクロファージ抗体で標識した後に、間接法で発色させた肺胞マクロファージの局在と細胞数を観察した。 以上の観察を行ったところ、機械的窒息死事例の肺組織においては、高温の悪影響による熱中症や熱傷性ショック死事例と比べて、単球及び多核巨細胞が多数認められた。今後、HAM56以外の細胞マーカーを用いて、さらに検討を加える予定である。
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Research Products
(2 results)