2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590683
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
西村 明儒 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (60283561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 敏 横浜市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20173487)
南部 さおり 横浜市立大学, 大学院・医学研究科, 助教 (10404998)
徳永 逸夫 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (30116842)
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Keywords | lectin / schizophrenia / apoptosis / neuron / hippocampal formation / multi-fluorescent / single strand DNA / immuno electron microscope |
Research Abstract |
統合失調症や認知症性脳変性疾患の海馬歯状回分子層において検出され、健常者にはほとんど見られないレクチン反応陽性球状沈着物に対して、蛍光多重染色および免疫電顕の手法を用いた検索を行った。初年度である本年度は、16例の20歳代から60歳代の統合失調症剖検脳を用いた。4%パラホルムアルデヒド浸漬固定後、15%ショ糖浸漬保存した統合失調症剖検脳から海馬部分を切り出し、ビブラトームを用いておよそ40μmの厚さに薄切した。まず、薄切切片に対して、DBA、GSI-B4またはUEA-1のレクチン組織化学染色(Alexa633)を行い、抗GFAPおよび抗NF抗体による免疫染色(Alexa488)を重ね、SYBR greenの核染色を加えて三重染色を行った。本沈着物は、GFAP陽性のアストログリア内には、見られず、NF陽性のニューロン内に認められた。この際、核は、比較的弱く染色される印象であった。次に抗single strand DNA抗体を用いた免疫組織化学的染色を行った。抗体ならびにレクチンの発色は、Alexa488および633、核染色は、SYBR greenを用いて三重染色を行った。 さらに、ビブラトーム薄切切片にレクチン組織化学染色を施し、DABで発色後、エポン樹脂で包埋、60nm厚超薄切切片とし、ウラン、鉛による電子染色を施し、透過型電子顕微鏡で検鏡した。蛍光多重染色では、SYBR greenによる染色性が低下した核の一部が崩壊し、その部分でレクチンとsingle strand DNAの共染が認められた。免疫電顕では、核の一部が崩壊し、そこにレクチン陽性の構造物が散在する様子が観察された。これらのニューロンは、その形態からapoptosisを起こしているものと考えられた。次年度は、レクチン陽性の構造物の存在するニューロンの種類を判別し、また、症例を認知症や感情障害へと広げたいと考える。
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Research Products
(1 results)