2009 Fiscal Year Annual Research Report
Abeta離散・クリアランスをターゲットとした認知症治療法に関する研究
Project/Area Number |
20590697
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
里 直行 Osaka University, 医学系研究科, 寄附講座准教授 (70372612)
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Keywords | アルツハイマー病 / ベータ・アミロイド / クリアランス / LRP-1 / 蛋白輸送 |
Research Abstract |
本年度はAβ産生の低下機構についてHMGCoA還元酵素阻害薬であるスタチンの効果を詳細に検討した。まず、Aβの前駆体であるアミロイド前駆体蛋白C端断片(APP-CTF)の細胞内での分解が促進していることを証明した。次に細胞内の蛋白分解器官であるライソゾームの分解活性が変化していなかったことからAPP-CTFの細胞内輸送を検討した。スタチンはAPP-CTFのエンドソームからライソゾームへの細胞内輸送を促進していることを認めた。このことによってAPP-CTFの分解が促進されていると考えられた。このことは初代神経培養細胞においても確認され、イソプレニル経路を介していることが判明した。次にアルツハイマー病モデル・トランスジェニックマウスにおいても脳内Aβの低下が観察された。しかし、野生型マウスで認められたスタチンによるAPP-CTFの低下は認められなかった。そこで、脳内Aβの低下の機序としてAβのクリアランスを検討したところ、スタチンがAβのクリアランスを促進していることが判明した。Aβのクリアランスは脳内における分解、および血液脳関門を介したAβの脳内から末梢への排出が寄与すると想定されている。脳内でAβ分解を担っているネプリライシンやインスリン分解酵素はスタチンにより活性は変わらないが、脳から末梢への排出を担っていると報告されているLDL receptor-related protein(LRP)-1の発現が血液脳関門の本態と考えられている脳血管内皮細胞においてスタチンにより増加することが判明した。このメカニズムに関して培養細胞を用いると、イソプレニル経路を介していることが判明した。以上のことより、スタチンはAβ産生抑制とAβクリアランス促進という2つのメカニズムでAβを低下させることが判明した。
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Research Products
(12 results)
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[Presentation] Possible mutual interaction between diabetes mellitus and Alzheimer's disease : Generation of novel transgenic mice models of Alzheimer's disease with diabetic conditions2009
Author(s)
Shuko Takeda, Naoyuki Sato, Kozue Uchio-Yamada, Kyoko Sawada, Takanori Kunieda, Daisuke Takeuchi, Hitomi Kurinami, Mitsuru Shinohara, Hiromi Rakugi, Ryuichi Morishita
Organizer
ICAD (International Conference on Alzheimer's Disease) 2009
Place of Presentation
Vienna, Austria
Year and Date
2009-07-15
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