2010 Fiscal Year Annual Research Report
内因性カンナビノイドによる中枢性交感神経-副腎髄質系賦活への抑制作用について
Project/Area Number |
20590702
|
Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
横谷 邦彦 高知大学, 教育研究部・医療学系, 教授 (30174858)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 孝洋 高知大学, 教育研究部・医療学系, 助教 (00363276)
田中 健二朗 高知大学, 教育研究部医療学系, 助教 (30552260)
|
Keywords | 喫煙 / 脳内ニコチン受容体 / 中枢性交感神経-副腎髄質系の賦活 / アラキドン酸カスケード / ホスホリパーゼC / ジアシルグリセロールリパーゼ / モノアシルグリセロールリパーゼ / エンドカンナビノイド |
Research Abstract |
ストレスによる交感神経-副腎髄質(S-A)系の過剰な反応は高血圧症、消化性潰瘍、免疫能低下による発癌等を引き起こすことから、この系の脳内賦活経路とその制御機構の解明はそれら疾病の予防と治療に不可欠である。そこで今回、喫煙のよる中枢性S-A系賦活機構を脳内ホスホリパーゼC(PLC)/ジアシルグリセロールリパーゼ(DAGL)/モノアシルグリセロールリパーゼ(MAGL)系及びエンドカンナビノイド(eCB)系との関連で解析した。 ニコチン受容体刺激薬であるエピバチジン(Epi)の脳室内投与による血中カテコールアミン増加には脳内トロンボキサンA2が関与している。Epiによる血中カテコールアミン増加は、PLC阻害薬(U-73122)、DAGL阻害薬(RHC-80267),MAGL阻害薬(JZL184)の脳室内前処置により抑制された。これらの成績から、Epiによる中枢性S-Aの賦活には脳内PLC/DAGL/MAGL系を介して生成されたアラキドン酸カスケード系が関与することが明らかになった。 この過程で生成されたMAG[=2-アラキドノイルグリセロール(2-AG)]はアラキドン酸の前駆物質としての役割とともに、eCBとして現在注目されている。後シナプス性に生成された2-AGは逆行性に前シナプスに作用し、CB1受容体を介して神経伝達物質の遊離を抑制することが報告されている。Epiによる血中カテコールアミン増加は、CB1受容体遮断薬の脳室内前処置により増強した。従って、喫煙による中枢性S-A系の賦活にPLC/DAGL/NAGL系が関与すること、この過程で生成された2-AGはeCBとしてCB1受容体を介して抑制性に関与することが明らかになった。
|
Research Products
(4 results)