2008 Fiscal Year Annual Research Report
胃ホルモン・グレリン概日リズムと戦略的治療法の探索
Project/Area Number |
20590729
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
大津留 晶 Nagasaki University, 医学部・歯学部附属病院, 准教授 (00233198)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市川 辰樹 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (80346949)
熊谷 敦史 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (40448494)
|
Keywords | 食事同調性 / 光同調性 / コルチゾール / 血糖 / インスリン |
Research Abstract |
【研究の背景とその目的】ヒトにおいて食事同調性概日リズムが存在するならば、グレリンはそれによって制御されるのではないかという仮説に基づき、バラバラな時間に食事を摂っていた被験者に対し、決められた時間に摂食する習慣づけを行い、グレリンの日内変動を検討した。 【対象と方法】被験者:健康な成人14名(男8女6;年齢24.1±3.66; Body mass index21.0±1.52)プロトコール:1日目から14日間まで、朝(8〜9時)・昼(12〜13時)・晩(18〜19時)と決められた時間に食事を摂る。1、14日目を採血日とし、前腕静脈の留置針より7時〜20時まで、毎正時、計14回の採決を行い、 Acyl-Ghrelin, insulin,血糖、コルチゾールを測定した。データのばらつきの度合いを変動係数で解析した。有意差検定はpaired t testにて行った。 【結果と考察】光の概日リズムで制御されているコルチゾールは、朝が高く夜にかけて減少傾向という分泌パターンを示し、その値や変動係数に1日目と14日目の間で大きな変化は見られなかった。また食事摂取カロリーに規定される血糖も1日目と14日目で変化なかった。一方グレリンは、1日目は個人個人でバラバラなピークを示したのに対し、14日目は毎食前に血中濃度が急に上昇し、摂食後に急に低下するという、3峰性の分泌パターンが得られた。また変動係数の比較では、グレリンにおいて14日目の変動係数が有意に小さくなった。このことは、グレリンの日内変動が食事パターンに同調して、個人間の変動が減少し、予測された食事時間のメモリーに基づいた分泌パターンへと順化した、すなわち食事同調性概日リズムの存在を示していると思われる。
|
Research Products
(3 results)