2008 Fiscal Year Annual Research Report
VEGFmRNAに内在された新たな大腸がん進展機構
Project/Area Number |
20590742
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
増田 清士 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (00457318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
六反 一仁 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10230898)
近藤 茂忠 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (40304513)
河合 智子 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (40423404)
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Keywords | 大腸がん / 機能性RNA / 悪性化 / VEGF |
Research Abstract |
VEGF mRNA5'非翻訳領域(UTR)によるSTAT1、IRF-1発現抑制の分子機構を明らかにし、VEGF mRNAによる大腸がん細胞の「悪性化プログラム」を解明することを目的とし、以下の研究を行った。 1) VEGF mRNA5'UTR過剰発現のSTAT1、IRF-1依存性転写活性への影響の解析: VEGF5'UTRを大腸癌細胞株HCT116に過剰発現させると、STAT1、IRF-1の発現がmRNAレベルで強く抑制されること、さらにインターフェロン(IFN)誘導遺伝子の転写活性が選択的に強く抑制されることを明らかにした。 2) vegf mMRNA5'UTRによるIFN誘導性アポトーシス抑制の検討:VEGF mRNA5'UTRはVEGF蛋白質と独立して大腸がん細胞に抗がん剤耐性を誘導すること、さらに5'UTRの591〜746番目の塩基を含む領域が、抗がん剤耐性の獲得に必須であることを明らかにした。また、これらの細胞はIFNα及びIFNγ処理に対して強い抵抗性を示すことをin vitro及びin vivo実験系で明らかにした。 3) VEGF mRNA5'UTRのターゲットRNAの同定と細胞内遺伝子発現変動の解析:VEGF mRNA5'UTRを大腸癌細胞株HCT116に過剰発現させると、IFN誘導遺伝子群以外にもアポトーシス関連遺伝子や増殖因子が特異的に増加あるいは減少していた。この結果を基に、VEGF mRNA5'UTRを分子標的としたsiRNAを作製した。現在、その有効性についてin vitro実験系で検討を行っている。
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Research Products
(2 results)