2010 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性腸疾患におけるTh17型炎症の制御性T細胞による抑制に関する研究
Project/Area Number |
20590743
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中村 和彦 九州大学, 大学病院, 助教 (00274449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋穂 裕唯 九州大学, 大学病院, 講師 (10380411)
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Keywords | 炎症性腸疾患 / Th17 / 制御性T細胞 |
Research Abstract |
潰瘍性大腸炎・クローン病の炎症性腸疾患患者および非炎症性腸疾患である大腸ポリープなどの対照患者より小腸・大腸内視鏡検査時に生検サンプルを採取し、RNAを抽出した。RNAよりcDNAを作成した。Real time PCRでTh17型サイトカイン、Th1型サイトカインRNAの発現レベルを解析した。潰瘍性大腸炎ではTh17型サイトカインIL-17優位の、クローン病ではTh1型サイトカインIFN-γ優位のサイトカイン発現亢進を認めた。制御性T細胞(Treg)の特異的マーカーであるFoxP3の発現は、IL-17やIFN-γの発現と相関しており、炎症に応じてTregが腸管に動員されている事が示された。 炎症性腸疾患に対するTreg移入療法を考案するにあたり、より多くのTregを移入するため、in vitroで培養・増殖したTregを移入する方法が考えられる。免疫抑制剤ラパマイシンはin vivo、in vitroでTreg増殖効果があると報告されており、ラパマイシン誘導Tregの治療への応用に関して検討した。Balb/cマウスCD4+T細胞をラパマイシン存在下に刺激培養すると、3週間で細胞数は8倍に増加し、Treg割合が40%に上昇した。CB-17 ScidマウスにBalb/cマウス由来CD4^+CD62L^+CD25-T細胞1x10^6を腹腔内投与して大腸炎を誘導した。炎症を起こした腸管ではreal time PCRにてIFN-γとIL-17の上昇を認めた。また、大腸粘膜固有層単核球からのサイトカイン産生を検討した所、IFN-γ、IL-17産生が上昇していた。scidマウスにCD4^+CD62L^+CD25-T細胞1x10^6と共に同数のラパマイシン培養CD4^+T細胞を腹腔内投与すると大腸炎誘導が抑制され、IFN-γ、IL-17産生は抑制された。ラパマイシン誘導Tregがin vivoでTh1と共にTh17型大腸炎を抑制することが示された。
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Research Products
(3 results)