2010 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性腸疾患の発癌サーベイランスにおける腸管免疫異常と慢性炎症の意義
Project/Area Number |
20590751
|
Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
松本 譽之 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (10209637)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池内 浩基 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (80319863)
樋田 信幸 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (40340963)
福永 健 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (80333540)
應田 義雄 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (10388811)
|
Keywords | 潰瘍性大腸炎 / クローン病 / 発癌 / 免疫監視機構 / サーベイランス |
Research Abstract |
炎症性腸疾患の長期経過に伴う発癌の機序と早期診断のためのサーベイランス法の確立と潰瘍性大腸炎に見られる免疫異常が炎症性発癌に関与する機構の解明を目的として以下の研究を行った。 潰瘍性大腸炎に伴う大腸癌やDysplasiaに相当する病変の的確な診断を目的として、これまでpit診断などの微細診断から検討を続けてきたが、今年度は長期経過例に対して、通常内視鏡で疑わしい病変(主として発赤や平坦隆起病変)を標的として、生検を行うと共に微細病変の特徴をNBIや色素拡大法を用いて検討した。その結果炎症が残存する場合にはこれらの方法だけでは限界があることが示された。自家蛍光法やPDD(Photo dynamic diagnosis)法の併用により存在診断効率の向上が示唆された。 潰瘍性大腸炎において難治例や活動期例では、末梢血・腸管粘膜の両者においてCD4陽性CD25highあるいは、CD4陽性Foxp3陽性の調節性T細胞(Treg)の減少が確認され過剰な免疫応答にあった。Tregは治療特に血球成分除去療法などで改善することが示された。特に難治例で手術を必要とする症例でこのような変化が強かった。また、難治例に対して抗TNF-α抗体による治療が有効であるが、これらの治療が発がんの促進あるいは防御に関わるという両面性を有する可能性があり、これらの免疫異常是正治療とdysplasiaや炎症性発癌の関係が今後の重要な問題となった。
|
Research Products
(8 results)
-
[Journal Article] Target biopsy or step biopsy? Optimal surveillance for ulcerative colitis : a Japanese nationwide randomized controlled trial.2011
Author(s)
Watanabe T, Ajioka Y, Matsumoto T, Tomotsugu N, Takebayashi T, Inoue E, Iizuka B, Igarashi M, Iwao Y, Ohtsuka K, Kudo S, Kobayashi K, Sada M, Matsumoto T, Hirata I, Murakami K, Nagahori M, Watanabe K, Hida N, Ueno F, Tanaka S, Watanabe M, Hibi T.
-
Journal Title
J Gastroenterol.
Volume: 46(Suppl.1)
Pages: 11-16
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-