2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590824
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤田 正俊 Kyoto University, 医学研究科, 教授 (50190046)
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Keywords | 加速ベッド / 動脈硬化 / 心不全 / 狭心症 / 血管内皮機能 / 運動耐容能 / 心筋シンチグラフィ / トレッドミル負荷試験 |
Research Abstract |
仰臥位で脊椎の長軸方向へ周期的に加速度を加える加速ベッド負荷により,上腕動脈の血流依存性血管拡張反応(FMD)が改善することを基盤として,ヘパリン前投与下の加速ベッド治療が,虚血性心疾患による慢性心不全患者の心筋虚血,心機能,運動耐容能を改善するかを検討した。 19名(平均年齢66±10(標準偏差)歳)のPCI,CABGいずれもが適応とならない陳旧性心筋梗塞を有する狭心症患者を,安静群(n=9)と加速ベッド治療群(n=10)に割り付けた。加速ベッドによる治療は,負荷加速度±2.2m/秒^2で,1回45分間,計20回を4週間で実施した。研究期間中,すべての患者は適切な内科的治療を受けた。治療前後での標準ブルース法によるトレッドミル運動負荷テストでの0.1mV ST低下までの運動時間の延びは,加速ベッド治療群の方が安静群より有意に大きかった(2.1±1.1分対-0.4±0.9分,p<0.05)。0.1mV ST低下時点での二重積の延びも同様の結果であった(1,950±1,101mmHg×拍/分対-875±1,378mmHg×拍/分,p<0.05)。治療前後でのアデノシン負荷心筋シンチグラフィでの灌流欠損の改善度も加速ベッド治療群のほうが有意に良好であった(6.1±4.7対-1.4±2.8,p<0.05)。更に,安静時の左室駆出分画の改善度も加速ベッド治療群の方が有意に大きかった(4.3±5.1%対0.1±2.1%,p<0.05)。 以上より,加速ベッドによる新しい治療法は,難治性狭心症患者の心筋虚血を軽減し,心機能および運動耐容能を改善することが判明した。
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Research Products
(3 results)