2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590930
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
高橋 弘毅 Sapporo Medical University, 医学部, 教授 (60231396)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒木 由夫 札幌医科大学, 医学部, 教授 (70161784)
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Keywords | SP-A / 薬剤性肺障害 / 肺線維化 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
(1)肺サーファクタントタンパク質ノックアウト(SP-A(k/o))マウスの作成;米国ジャクソン研究所より購入したSP-A(k/o)マウスが十分な妊孕性を有し、実験に供するものであることを確認した。 (2)薬剤性肺障害マウスモデルの作成 a)マイクロポンプを用いた皮下持続投与法による薬剤性肺障害モデルの確立;野生型マウスヘブレオマイシンを皮下持続投与法し、投与4週後に肺の障害を検討した。気管支肺胞洗浄液(BALF)中のTGF-β高値、肺のホモジネートを用いたコラーゲンアッセイ法で高値、肺組織所見で肺胞腔内への炎症細胞浸潤、肺胞隔壁の肥厚、線維化病変の形成を認め、当該モデルを確立した。 b)経気道投与法による薬剤性肺障害モデルの確立;ブレオマイシンまたはアミオダロンを使用した。ブレオマイシンの投与3週後のBALF中TGF-β高値、総細胞数、リンパ球数増加、また、肺組織所見で肺胞腔内への炎症細胞浸潤、肺胞隔壁の肥厚、線維化病変の形成を認めた。アミオダロンの経気道投与では線維化や炎症細胞浸潤は認めなかったが、肺胞マクロファージの形態変化を認めた。 (3)SP-Aノックアウトマウスにおける肺障害の検討;ブレオマイシン経気道投与2週後の死亡率は、野生型マウスの33%に対し、SP-A(k/o)マウスでは100%であった。したがって、SP-Aは薬剤性肺障害抑制作用を有することが示唆された。 (4)薬剤刺激による細胞障害とその防御因子としてのSP-Aの検討; PMA刺激でTHP-1細胞からマクロファージへと分化誘導された細胞が大腸菌由来LPS刺激による高いTNF-α産生能を有することを確認した。今後、精製したリコンビナントSP-Aを用いて、薬剤刺激下でのサイトカイン産生能、 TLRの発現を検討する。
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Research Products
(5 results)