2008 Fiscal Year Annual Research Report
生活習慣病を基礎とする慢性腎臓病抑制対策に関する基礎的検討
Project/Area Number |
20590941
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中山 昌明 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (60217940)
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Keywords | 慢性腎臓病 / メタボリック症候群 / 生活習慣病 / 糖代謝産物 / メチルグリオキサール |
Research Abstract |
検体収集と各種物質の測定 慢性腎臓病患者の空腹時血清サンプルを200検体採取・収集。メチルグリオキサール(MGO)ならびに3-deoxyglucosone(3DG)の測定を終了した。ジカルボニル物質の測定は、既報の方法にしたがい0-フェニレンジアミン誘導体化反応を行った後にLC/MS法にて測定した。さらに、空腹時血糖、血中インスリン値からHOMA-IRを求めた。その他、中性脂肪、HDLコレステロール、C反応性蛋白等を測定し、これらの要因と腎機能との関連について検討を行った。 解析結果 : 以下に主な解析結果を示す。 (1) 血中MGO濃度は腎機能の低下に伴い有意に増加したが、3DGでは有意の変化は認められなかった。 (2) インスリン抵抗性の指標であるHOMA-IRは腎機能の低下に伴い増加する傾向が認められた。 (3) さらに、HOMA-IRで2.0以上を呈する例の割合は、CKDステージ1〜3と比較してステージ4〜5の例では増加していた。 (4) HDLコレステロールと腎機能との間には明らかな関連は観察されなかったが、中性脂肪値は腎機能の低下に伴い上昇していた。 意義・重要性に関して 初年度の検討結果より、腎機能の低下は、血中MGO濃度の増加ならびにインスリン抵抗性の増大と関連している事が確認された。動物実験にて、我々はMGOの投与によりインスリン抵抗性が増大する事実を報告しているが(Guo Q, Mori T, et.al. J Hypertension, in press)、今回の結果は、ヒトでもMGOの増加がインスリン抵抗性増大に関与している可能性を示唆する内容であり、CKD患者で増加する心血管合併症の罹患を説明するものと考えられる。
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