2008 Fiscal Year Annual Research Report
腎不全時のカルシウム/リン比を維持し、骨に導く先導分子の同定
Project/Area Number |
20590976
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
辰巳 佐和子 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (80420545)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 賢一 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (70174208)
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Keywords | 腎臓 / リン / カルシウム / 腸管 / 骨 |
Research Abstract |
生体構成成分は、食事成分と共通であり(グルコース、コレステロールなど)、生体はその構成成分を絶えず入れ換えている。しかしながら、生体が食事から新しい栄養成分をどのようにして自らの古い構成成分と区別し、交換しているのかについては全くといっていいほど明らかにされていない。腎不全/透析患者にみられるミネラル代謝異常(高リン血症等)や合併症(異所性石灰化)は、腸管から吸収された栄養素が、本来なら各臓器代謝を経て、腎臓から排泄されるはずが、上述した入れ換え機構の異常により生体のあらゆる組織に蓄積することが原因と考えられる。カルシウム/リン比の制御機構の解明、また食事から摂取したカルシウム/リンを骨に導く先導因子(LPP)の同定を行い、さらにLPPにより制御される、新規リン利尿因子を同定する。これらの分子が腎機能を低下のマーカーや、リン代謝異常改善物質として利用可能かを検討することを目的とした。 今年度は、腸管より分泌されるリン吸収調節因子(LPP)候補分子の同定を目指した。 1)シグナルシークエンストラップライブラリーのスクリーニングにより得られたをLPP候補分子として既知のものでシグナルシークエンスを持つ分子、膜タンパク質であるが、細胞膜上で切断され、分泌される分子を見出した。また機能は未だ詳しく同定されていない分子も候補とした。次年度はこれらの候補分子を、培養細胞系(腎臓細胞)に導入し、リン吸収への影響を確認する予定である。2)骨細胞のないモデルマウスの食事性リン応答の解析を行った。骨細胞のみを死滅させることのできるトランスジェニックマウスの食事性リン応答を腸管上皮細胞刷子縁膜を利用し、リン輸送活性を測定することで明らかにした。このマウスのリン輸送活性の変化よりLLPが腸管から分泌していることが強く支持する結果を得た。次年度は1)で絞ったLLP候補分子の発現量の変動を検討する。
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Research Products
(15 results)