2010 Fiscal Year Annual Research Report
大量高速全ゲノムSNPチップ連鎖解析システムによる遺伝性神経疾患の遺伝子同定
Project/Area Number |
20590989
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
後藤 順 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (10211252)
|
Keywords | 連鎖解析 / SNP / 遺伝性疾患 / 遺伝子同定 |
Research Abstract |
遺伝性神経疾患の原因遺伝子を同定することにより、当該疾患の診断精度の向上、病態解明及び治療法開発を進めることが可能となる。分子遺伝学の進歩により、多くの疾患の原因遺伝子が、過去20余年の間に同定され、研究が大きく展開されている。しかしながら、すべての疾患遺伝子が同定されているわけではなく、稀少な小家系においては、原因遺伝子の同定が残されているものも多く、また家系解析(連鎖解析)もこれまで多大な労力を要するものであった。SNPチップによる全ゲノムのジェノタイピングが短時間に行えるようになったことから、SNPチップデータによるハイスループット連鎖解析システムを福田(連携研究者)らは確立した。家系の収集及び、これまでに収集した家系の解析を行い、研究期間中すでに複数の家系について原因遺伝子の同定を行ってきた。最終年度にあたり、本邦で臨床的に同定された、世界的に稀な網膜色素変性症を伴う後索性失調症(PCARP)家系の原因遺伝子をハイスループット連鎖解析システム及び大規模シークエンシング解析によって同定し、新規病因遺伝子の同定に有用であることを、実際に証明した(Ishiura H, et al.Neurogenetics in press)。大量高速全ゲノムSNPチップ解析システム及び大規模なシークエンス解析による迅速な疾患原因遺伝子同定を実現した。新規疾患遺伝子の同定並びに臨床場面における遺伝子診断の補助に有用なシステムである。
|
Research Products
(11 results)