2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20591037
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Research Institution | The Nukada Institute for Medical and Biological Reseach |
Principal Investigator |
額田 均 The Nukada Institute for Medical and Biological Reseach, 副理事長 (60118833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木橋 操六 弘前大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40111231)
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Keywords | 未梢神経 / 虚血性末梢神経障害 / 再灌流傷害 / 高血圧 / 高血圧自然発症ラット / 糖尿病 / 糖尿病性末梢神経障害 / マクロファージ |
Research Abstract |
課題1:高血圧による末梢神経障害について:高血圧自然発症ラット(SHR)末梢神経の虚血・再灌流傷害に対する電気生理学的・形態学的脆弱性を報告し、高血圧と末梢神経障害の関連を明らかにした。血圧は本年度購入したラット用非観血血圧計で測定。虚血前の神経伝導速度はSHR(平均血圧178/116mmHg)および対照群(127/81mmHg)に有意差を認めない。3時間の虚血では、SHRと対照群ともに特に異常を示さない。3時間30分の虚血では再潅流直後、坐骨結節部刺激でのCMAPの回復がSHR群で有意に遅延し、病理学的には軸索変性を示す有髄神経線維数が、SHR群で対照群に比し有意に増加した。すなわち、高血圧はそれ自体では末梢神経障害を起こさないが、高血圧性末梢神経は正常の末梢神経では変化を示さない程度の虚血によって末梢神経障害を惹起する。これらの結果は、糖尿病合併症大規模疫学的調査から示された高血圧が糖尿病性末梢神経障害の発症・進展因子であることの裏付けとなり、糖尿病、動脈硬化性末梢動脈疾患など末梢神経虚血をもたらす疾患では、高血圧に基づく末梢神経易傷害性の関与を考慮する必要があることが明らかになった。 課題2:末梢神経虚血・再灌流傷害の発症機序解明について:末梢神経虚血・再灌流後の急性炎症反応におけるマクロファージの由来およびケモカインの役割を明らかにする目的で、Munster大学にて開発された骨髄キメラマウス(C57B16/GFP)およびケモカインレセプターノックアウトマウス(CXCR3-/-およびCCR2-/-マウス)に虚血・再灌流傷害を惹起し、病理学的に検討を加えた。キメラマウスでは再灌流後早期からの神経鞘内のレジデントマクロファージの活性化がみられる。また、CXCR3-/-およびCCR2-/-マウスでは、再灌流による病理学的変化の軽減が認められた。これらの点から、再灌流傷害におけるレジデントマクロファージの重要性およびサイトカインの関与を証明した。
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Research Products
(3 results)