2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規心血管作動性ペプチドによるマクロファージ泡沫化ならびに動脈硬化の制御
Project/Area Number |
20591084
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
宮崎 章 昭和大学, 医学部, 教授 (70253721)
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Keywords | 単球 / 動脈硬化 / 内皮細胞 / サリューシン / 接着分子 |
Research Abstract |
【目的】サリューシン-α、-βはプレプロサリューシンに由来する新規血管作動性物質である。動脈硬化病変形成に対してサリューシン-αは抑制的に、-βは促進的に作用する。今回単球の内皮細胞への接着に対するサリューシン-α、-βの効果を検討した。 【方法】培養ヒト臍帯静脈血管内皮細胞(HUVECs)を24wellプレート上に播種し、サリューシン-αまたは-βで6時間刺激した。接着分子のmRNA発現の測定にはqPCR法を用い、タンパク質発現解析にはimmunoblot法ならびにELISA法を用いた。HUVECsに対してCalcein red-orange標識したヒト単球細胞株THP-1細胞を播種し(100,000/well)、蛍光プレートリーダーにて各wellの蛍光強度を測定して(Ex530nm/Em 590nm-)単球/内皮細胞接着を評価した。 【結果】HUVECsをサリューシン-βで刺激したところ、3nM以上で濃度依存的に接着分子ICAM-1のタンパク質発現を促進した。さらに、サリューシン-βは10nM以上の濃度で単球/内皮細胞接着を促進した。一方、サリューシン-αには有意な効果がみられなかった。また、転写因子nuclear factor-kappa B(NF-κB)の関与を検討する目的で、NF-κBの選択的阻害剤BAY11-7082または非選択的阻害剤クルクミンで前処置したところ、サリューシン-βによる接着分子ICAM-1、VCAM-1、E-selectinのmRNA発現誘導や単球/内皮細胞接着は有意に抑制された。 【結論】サリューシン-βは培養血管内皮細胞において接着分子の発現を亢進させることで、内皮細胞/単球接着を促進させることが明らかになった。その作用の一部には転写因子NF-κBが関与する可能性が示唆された。
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Research Products
(4 results)